episode4 「重力の井戸の底で」
一方、自分に良くしてくれたギルボアを不可抗力とはいえ殺してしまった事にバナージは苦悩し自暴自棄に陥る。そんなバナージを救ったのはガランシェールの船長スペロア・ジンネマンだった。辛い過去を抱えながら賢明に生きるその姿にマリーダ同様バナージも心を開いて行く。
episode.4は人間ドラマがとにかく濃密だったというのが私の率直な感想です。
初っ端の陽動を目的とした首都ダカールでの市街戦など「君は何体解るか?」ってな感じでマイナーMSが入り乱れる戦闘シーンも見所ではあるのだけれど、本質は全編に配された立場の違う人間同士の対話と衝突とすれ違いだったと思う。
初っ端の陽動を目的とした首都ダカールでの市街戦など「君は何体解るか?」ってな感じでマイナーMSが入り乱れる戦闘シーンも見所ではあるのだけれど、本質は全編に配された立場の違う人間同士の対話と衝突とすれ違いだったと思う。
ダイナーで語らう老店主とオードリーや、戦いの中で相反するバナージとロニ。
ジンネマンとバナージの交流と対立。
そこで交わされる言葉1つ1つが重く心に響いてきます。
宇宙移民も全ては人類を救いたいという「善意」から始まったと語る老人は、それを「エゴでは?」と問うオードリーに「それを否定してしまったらこの世は闇だよ」と答える。
自分たちが若い世代に何も出来なかったと悔いコーヒーを御馳走する姿は、目先の利益と私利私欲にだけ走る何処ぞの政治屋や一流企業のお偉方たちに見せてやりたいもんだ。
バナージと共に人類の未来に想いを馳せるジンネマンの
「哀しくなくする為に生きている筈なのに…なんでだろうな」
そして、その言葉を聞き涙ぐむバナージに
「人を想って流す涙は別だ」
「人を想って流す涙は別だ」
となだめる姿にも目頭が熱くなりました。
そして関係ない人々の命が無慈悲に奪われる戦争という不条理を目の当たりにし、この世の汚い部分を見て来た事で全てを達観し割り切ろうとするジンネマンと、若く向こう見ずであるが故に純粋でストレートな想いを口にするバナージが真っ向から激突する中盤の展開もグッと来ます。
今までのバナージでは考えられない殴り合いにまで発展する中、上官であるジンネマンが金的蹴りされ踏み付けられてんのに知らんぷりするフラストに思わず笑ってしまった。
整備員のトムラさんと言い、ガランシェールの面々は本当に良い人ばかりだ。
そんな意地と意地のガチンコバトルと並行して行われるトリントン基地攻防戦。
ジオン側は寄せ集めの残党とあって一点物とも言える古い機体を使っているので戦い方にも個性が出ていて面白い。
ジオン側は寄せ集めの残党とあって一点物とも言える古い機体を使っているので戦い方にも個性が出ていて面白い。
(しかしジュアッグだけならまだしもゾゴックまで出すとは…)
ザクⅠ・スナイパータイプが連射し焼きついた砲身を換装するなど細かなミリタリー描写にも燃えさせて頂きました。
ザクⅠ・スナイパータイプが連射し焼きついた砲身を換装するなど細かなミリタリー描写にも燃えさせて頂きました。
引きで観ると完全に怪獣なMA・シャンブロの存在感もGood!。
今回も原作のエグイ部分をオブラートに包む事でエンターテイメント性を高めると同時に観易い作りになっていた。
登場人物が整理され展開などもかなり改変されているそうですが、1時間という尺を考えれば良い判断だったと思います。
ただリディ少尉のキャラ崩壊が唐突過ぎたのと、破壊される街のカットに瓦屋根のやたら日本臭い建物があった事と、ゲストキャラクターの描き方が甘かった点が少し気になりました。
ただリディ少尉のキャラ崩壊が唐突過ぎたのと、破壊される街のカットに瓦屋根のやたら日本臭い建物があった事と、ゲストキャラクターの描き方が甘かった点が少し気になりました。
特にロニとカークスの関係性はかなり端折られていて「最後の家族」という割にそれを感じさせるシーンが無かったのが本当に悔やまれます。
絆を感じさせる描写が1カットでも入っていれば、より共感出来たのですが…。
リディ少尉に関しては実家に帰ったら一気に劣化しましたね(苦笑)。
オードリーに抱き付いて脅しの様な求愛したり、バナージの行動力に嫉妬してみたり、マーセナス家の実態を知ったのが余程ショックだったのか、すっかり痛い子になってしまいました。
オードリーに抱き付いて脅しの様な求愛したり、バナージの行動力に嫉妬してみたり、マーセナス家の実態を知ったのが余程ショックだったのか、すっかり痛い子になってしまいました。
懸案事項だったはずの成田剣さん版ブライトさんは前評判通り自然に溶け込んでいたと思います。
艦長室にアムロの写真がさり気無く飾ってあったりニヤリとさせるシーンも嬉しい。
リアリストのリディとロマンチストのバナージという図式が顕著に表れたシャンブロ撃破シーン。
作品の性質上バナージに主観が置かれていますが、シャンブロの攻撃で街が刻一刻と破壊されている訳ですからリディの行動もまた至極真っ当である事を忘れてはいけません。
鬼気迫るリディの
「可能性に殺されるぞ!!。そんなもの捨てちまえ!!」
「可能性に殺されるぞ!!。そんなもの捨てちまえ!!」
復讐鬼としてではなく1人の人間として囁くロニの
「バナージ…哀しいね…」
「バナージ…哀しいね…」
土壇場で彼女の心を悟ったバナージの
「撃てません!!!!」
という悲痛な叫び。
「撃てません!!!!」
という悲痛な叫び。
1つだけでもヤバイ台詞なのにそれを絶妙な演出と荘厳なBGMで畳み掛けるもんだから全身の鳥肌が大暴走。
浪川大輔くんと伊瀬茉莉也さんと内山昴輝くんの演技も素晴らしい!!。
特にロニ役の伊瀬茉莉也さんは普段飲まないお酒や発声方法で喉を枯らし役作りをした上、髪を短く切り気持ちを引き締めて収録に挑んだそうで改めて声優さんというのはプロフェッショナルなんだと実感しました。
特にロニ役の伊瀬茉莉也さんは普段飲まないお酒や発声方法で喉を枯らし役作りをした上、髪を短く切り気持ちを引き締めて収録に挑んだそうで改めて声優さんというのはプロフェッショナルなんだと実感しました。
そして画面は暗転しスタッフロールへ。
earthmindが担当したテーマソング「B-Bird」は第一印象から良い曲だと思っていましたが、作品とリンクした詩の内容など本編を観た後だと更にグッと来ました。
個人的には「流星のナミダ」と並ぶくらい好きな楽曲でCDの発売が今から楽しみです。
(実はもう予約済み)
earthmindが担当したテーマソング「B-Bird」は第一印象から良い曲だと思っていましたが、作品とリンクした詩の内容など本編を観た後だと更にグッと来ました。
個人的には「流星のナミダ」と並ぶくらい好きな楽曲でCDの発売が今から楽しみです。
(実はもう予約済み)
このまま半年1本のペースで行けば2012年末頃には完結しそうですね。
来年は『Q』もあるしホント最高じゃないか!!。