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『ラスト・ブラッド』(2008) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: BLOOD: THE LAST VAMPIRE
製作: 2008年 香港/フランス
時間: 91分
原作: Production I.G
監督: クリス・ナオン 
脚本: クリス・チョウ 
音楽: クリント・マンセル 
出演: チョン・ジヒョン(サヤ)
    小雪(オニゲン)
    アリソン・ミラー(アリス)
    リーアム・カニンガム(マイケル)
    倉田保昭(カトウ)
    コリン・サーモン(ミスター・パウエル)
    マイケル・バーン(-)
    マシエラ・ルーシャ(-)
    ラリー・ラム(-)

あらすじ

アメリカ空軍関東基地でオニの手による物と思われる死体が発見される。
上層部は事件解決のためオニの処刑人・サヤを転入生として基地内のアメリカンスクールに送り込む。
友人も作らず黙々と仕事をこなすサヤだったが、校内で学生に化けた二匹のオニを斬り捨てる姿を基地指令の娘に目撃されてしまう…。

予告映像

感想

セーラー服の少女が日本刀を片手に化物を退治するプロダクションI.Gの人気アニメシリーズ『BLOOD』。
その原点にしてフルデジタルアニメーションの先駆けである『BLOOD THE LAST VAMPIRE』をジェット・リー主演の『キッス・オブ・ザ・ドラゴン』で知られるクリス・ナオン監督がリメイク。
 
邦題は『LAST BLOOD』と改名されてますが、原題はまんま『BLOOD THE LAST VAMPIRE』。
それだけに序盤の流れは原作に沿った物となっています。
 
本場だけあって米国側(横田基地など)の描写は何もしなくてもリアルなのに日本側は異国情緒たっぷり(笑)な上モロにセットで落差が激しい。
色合いも『BLOOD』というよりは押井守監督の『Avalon』や『イノセンス』を意識した様でちぐはぐ。
加えてジャップと罵られてるサヤが『猟奇的な彼女』で知られるチョン・ジヒョンというのも笑える。
 
劇中のアクションに関しても古典的なホラーアクションだった原作の雰囲気はどこへやら、私の大嫌いな重量感皆無のワイヤーアクションに成り下がってしまった。
バイオハザード』よろしくゾンビ無双な路地裏での戦い。
『HERO』や『グリーンデスティニー』にしか見えない回想シーン。
安っぽいCGが残念過ぎる谷間での意味不明な戦闘シチュ。
そして小雪さん演じる敵の親玉とサヤが片言の英語で会話する馬鹿馬鹿しさ。
ここは正に「日本語でおk」だ。

「最強」と言われたラスボスとのカタルシスの欠片もないヌルイ戦いにすっかり冷め切った私は、登場人物が感情を爆発させる度に「空気読めよ」と呆れてしまった。
 
これを観ると、4クール掛けて何を描きたかったのか解らない『BLOOD+』や、『GANTZ』みたいに人が惨たらしく死ぬだけの伝奇物になりつつ『BLOOD-C』がマシに思えて来る。
こんな駄作に時間を割くくらいなら原作の『BLOOD LAST VAMPIRE』を観直した方がよっぽどマシだ。