あらすじ
その際彼が用いた未知の錬金術に興味を抱いたエドワード・エルリックとその弟アルフォンス・エルリックは、メルビンの独房で発見した手掛かりを頼りに一路アメストリスの西、隣国クレタとの国境に接する街テーブルシティへと向かう…。
予告映像
感想
原作が終了してから半年近く経過してからの公開となった本作。
ちなみに時間軸は原作コミック第11巻に収録された45話の頃に設定されているそうです。
本編スタートと同時に聴こえて来るのが木村良平くんの声だったのは個人的に嬉しい誤算。
『カリオストロの城』を意識したというだけあって、悪漢に追われるヒロインを偶然助けた主人公が大事件に巻き込まれるという冒険活劇の王道とも言える展開は観ていてワクワクしますし、
空間を最大限利用したダイナミックなアクションなど見応えのあるシーンも各所に用意されておりクライマックスまでテンポよく進んで行きます。
シリーズテーマである「命の尊さ」や「兄弟の絆」といった要素も確り押さえている点も評価出来ます。
がしかし。
後半の裏切りと策謀が交錯するどんでん返しの連続は聊か強引で、
私は思わず
「何人兄貴居んだよ!!」
とツッコミを入れてしまいました(苦笑)。
更に言えばスケキヨ(笑)のデザインが突飛で1人だけ別アニメになっていたり、威風堂々乗り込んだ大佐が一度も指パッチンせずに終わってしまうなど詰めの甘さも感じます。
絵柄に関しても新旧シリーズどちらとも違う「美しさ」より「勢い」を重視したデザインのため癖が強く好き嫌いが分かれそうな気がします。
そういった難点もあって完璧とは言えませんが、
禁忌を犯したエドだからこそ言える重く熱い名台詞の数々や、遂にモテ期が到来したアルのロマンスなどなど、
映画としての見所は非常に多く、エンターテイメント要素もきっちり内包しているので過度な期待を持たなければ十分に楽しめる筈です。
テーマがテーマだけに終盤ドロドロな展開もあって結構エグイのですが、最後はちゃんハッピーエンドなので結果オーライ。
作品のイメージを尊重し制作された主題歌『GOOD LUCK MY WAY』の出来も相まって観賞後清々しい余韻を残してくれる良く出来た娯楽映画だと私は感じました。