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『完全なる報復』(2009年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: LAW ABIDING CITIZEN
製作: 2009年 アメリ
時間: 108分
監督: F・ゲイリー・グレイ 
脚本: カート・ウィマー
音楽: ブライアン・タイラー 
出演: ジェイミー・フォックス(ニック・ライス)
    ジェラルド・バトラー(クライド)
    レスリー・ビブ(サラ)
    ブルース・マッギル(ジョナス)
    コルム・ミーニイ(-)
    ヴィオラ・デイヴィス(-)
    マイケル・アービー(-)
    レジーナ・ホール(-)
    グレゴリー・イッツェン(-)
    エメラルド・エンジェル・ヤング(-)
    クリスチャン・ストールティ(-)

あらすじ

幸せな家庭を持つクライド(ジェラルド・バトラー)はある日自宅に押し入った強盗に妻と娘を殺害され、自身も刺され重傷を負わされてしまう。
犯人2人は逮捕されたものの、フィラデルフィア随一の有罪率を誇る敏腕検事ニック(ジェイミー・フォックス)は確実に有罪にするため司法取引を持ちかけ、結果主犯格の男が数年の禁固刑で済んでしまう。
 
それから10年。
誰もがあの事件を忘れた頃、犯人の2人が無残な形で殺害される。
警察は状況証拠などからクライドの身柄を確保するのだが、留置場に現れたニックに対しクライドは平然と司法取引を持ち掛ける…。

予告映像

感想

妻と娘を目の前で惨殺され信じていた司法制度に裏切られた男が犯人とその保釈に関わった人間、果ては司法制度そのものに戦いを挑む。
 
監督は『交渉人』などスリラー作品に定評があるF・ゲイリー・グレイ
脚本に『リクルート』『ソルト』更に監督として『リベリオン』などを手掛けるカート・ウィマー。
主演はジェイミー・フォックス×ジェラルド・バトラーという中々面白い布陣。
 
冒頭はよくある被害者がバカを見て加害者が得をする展開から幕を開ける。
復讐映画のお約束だ。
しかし生き残ったジェラルド・バトラーが、とんでもない計画を携えて10年後に帰って来る。
 
手始めに全ての元凶である強盗犯2人を殺害。
特に保釈された方の殺し方はエグイのなんの。
だがしかし、やった事を考えれば「ざまぁwww」である。
そして呆気なく逮捕されかと思えば今度は10年前に妻子を殺した犯人が行った司法取引を再現し、保釈申請が受理された瞬間に判事を糾弾する。
その姿は実に痛快だ。
 
しかしこの辺りから物語は想像の斜め上を進み始める。
有りがちな復讐劇かと思ったら、実はクライドが米国政府御用達の暗殺者で、どんな困難な任務も100%の成功率でこなす最強の頭脳だというんだから開いた口が塞がらない。
時限式リモコン装置で車を爆破し、無人機銃とロケット砲で車列を襲撃。
街には厳戒令がしかれ司法どころか国家そのものを敵に回す勢いだ。
 
後半の展開が余りに突飛かつスケールアップし過ぎてしまった為どうにもチグハグな印象を受けるが、「正義とは何か?」「司法が守るのは誰か?」といったテーマは確り描かれていたし、クライドとニックの関係性が単純に善が悪を負かすという構図で無かったのも良かった。
 
確かにクライドは多くの人間を巻き込んだ犯罪者。
だが彼をそうした行動に駆り立てたのは誰か?。
 
劇中にある台詞だが
「自分の行動に責任を持て」
その言葉の重みを伝える教訓的な作品だった。