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『魔法少女まどか☆マギカ』最終話に寄せて…

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諸事情によって放送が延期されていた
ラスト3話の一挙放送が今し方TBSで終了したのですが、いやはや凄かった。
 
ほむらの孤独な戦い通し、今までの伏線が見事に回収される10話。
何故まどかが最強の魔法少女なのか?という謎が解明される11話。
そして、まどかが遂に魔法少女に変身して最初で最後の戦いに挑む最終話。
 
1クールの作品とは思えない怒涛の盛り上がりに終始興奮しっぱなしでした。
一挙放送だから余計にそう感じたのかもしれません。
 
言ってしまえば本作は女の子の夢と希望が詰まっている筈の「魔法少女」というジャンルを生々しく大真面目に描いた職業アニメだった訳で私は途中の鬱展開に軽く引いていたのですが、終盤になり因果律や時間移動・タイムパラドックスと言った要素が加わった事で一気に引き戻されました。
とにかく伏線の回収の仕方が実に見事で、謎だったパズルのピースが見事に組み上がった上で最終決戦に突入するもんだからカタルシスが半端じゃない!!。
他にも歴史上の名だたる女性(クレオパトラジャンヌダルク卑弥呼など)が皆、魔法少女だったという解釈も筋が通っていて唸らされる。
 
中盤から本性を現したキュゥべえとの対話も興味深く、インキュベーター魔法少女の関係性を人と家畜に例えるなど反論の余地が微塵もない正論を理路整然と述べるもんだから憎らしい!!。
人の価値観が全く通じない異質の存在である事が短い会話からよく出ており、その対比も本作の見所の一つだったと思います。
 
クライマックス遂に魔法少女になる事を決意した「まどか」。
曇り空を切り裂き真っ青な空に散った彼女の願いのカケラによって現在過去未来全ての魔法少女の想いが報われる展開は圧巻。
 
全てを包み込むまどかの愛情と
「最後まで自分を信じて…」
という言葉に彼女たちは救われたと思います。
 
自らが世界の規範から外れ別次元の存在になってしまう事すら厭わず大切な人を守るため笑顔を浮かべながら消えて行く彼女の姿は正に最強の、そして最高の魔法少女でした。
 
 
忘れ去られた筈の「まどか」という存在が人々の中に僅かながら残っている事を感じさせるエピローグ。
魔女が消えても人の世には悪意が蔓延り、また別の驚異が生まれる。
救い様のない世界で戦い続ける「ほむら」ですが「まどか」から貰ったリボンを身に付けた彼女は決して1人じゃない筈です。
 
正直これだけ余韻を残すTVアニメを私は久しぶりに観た気がします。 
基本は「魔女っ子アニメ」に準じた作りですが、描かれているテーマは大人の鑑賞に耐え得るだけの深い物でした。
言うなれば「アメコミ」における『ダークナイト』の様に、お子様と大きなお友達向けと見なされているこのジャンルをより高い次元へと押し上げたスタッフに私は心から拍手を送りたい。 
 
OPテーマ「コネクト」の歌詞が持つ本当の意味が理解出来るエンディングまで、切ない想いと深い愛情そして悲しみの中でも輝き続ける希望が描かれた本当に素晴らしい作品でした。
 
 
アニメファンとしてはコンサートホールのシーンに『エヴァ旧劇場版』。
まどかとほむらが別れ際の会話をする場面に『トップをねらえ!2』の最終話のイメージをダブらせてしまったが、作り手は意識していたのだろうか?。