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『フォロウィング』(1998年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: FOLLOWING
製作: 1998年 イギリス
時間: 70分
脚本: クリストファー・ノーラン
音楽: デヴィッド・ジュリアン  
出演: ジェレミー・セオボルド(ビル)
       アレックス・ハウ(コッブ)
       ルーシー・ラッセル(金髪の女性)
       ジョン・ノーラン(-)
       ディック・ブラッドセル(-)

あらすじ

作家志望の男ビルはアイデアを得る為に始めた街行く人々を尾行・観察する行為に何時しか没頭するようになっていた。
ある日、何時もの様に目に留まった見ず知らずの男の後をつけていたビルは逆にその人物から声を掛けられる。
男の名はコッブ。
彼もまたアパートに不法侵入し他者の私生活を覗き見る行為に魅入られていた。
全てを見透かす様なコッブの言動に不思議と惹かれたビルは彼の"仕事現場"に同行し、その魅力に取り憑かれていく…。

予告映像

感想

ダークナイト』『インセプション』とメガヒット作品を世に送り出し名実共にハリウッドのトップクリエーターとなったクリストファー・ノーラン監督の処女作『フォロウィング』を今更鑑賞。
 
プロットは他者の秘密を覗き見るスリルに取り憑かれた男が破滅していく物語であり、御世辞にも斬新とは言えませんが、後に『メメント』でも用いられる時間軸をバラバラにする特異な構成が本作にも生かされており単純なプロットでありながら実に味わい深い仕上がりになっています。
 
無名であるが故に魅入られる俳優陣の演技や、カラーではなくあえてモノクロにしたザラついた映像も印象的。
6000ドルという低予算ながら練り込まれた脚本や巧みな演出など映画の本質を大切にし「ありふれた食材(題材)を上手く料理する(見せる)」ノーラン監督らしいた作りになっておりました。
 
何気に主人公の部屋のドアに『バットマン』のロゴが入っている辺り運命的な物を感じずには居られない。
現在撮影中の最新作『ザ・ダークナイト・ライジス(原題)/ The Dark Knight Rises』の完成が楽しみです!!。
 
見た目通りアートorインディペンデント系なので観る人を選びますが、CGや3Dなどという"まやかし"を乱用した作品に辟易している純粋な映画ファンば楽しめる事請け合いです。