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『インセプション』(2010年) -★★★★★-

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スタッフ&キャスト

原題: INCEPTION
製作: 2010年 アメリ
時間: 148分
出演: レオナルド・ディカプリオ(コブ)
    渡辺謙(サイトー)
    ジョセフ・ゴードン=レヴィット(アーサー)
    マリオン・コティヤール(モル)
    エレン・ペイジアリアドネ
    トム・ハーディ(イームス)
    キリアン・マーフィ(ロバート)
    トム・ベレンジャー(-)
    マイケル・ケイン(-)

あらすじ

コブ(レオナルド・ディカプリオ)は潜在意識の奥深くにもぐり込み相手のアイデアを盗み取るその世界では有名な企業スパイだった。
その能力故に裏の世界の人間に追われる日々を送っていたコブの元に巨大企業のトップであるサイトー(渡辺謙)が自由と引き換えにとある仕事を持ち掛ける。
それは対象にアイデアを植え付ける“インセプション”と呼ばれる不可能に近いミッションだった…。

予告映像

感想

いやはや、何ともクリストファー・ノーラン監督らしいビジュアルに拘りまくった知的なアクション映画でした。
端的に言えば『マトリックス』×『オーシャンズシリーズ』×『ミッションインポッシブル』といった感じだろうか?。 
 
言わずもがな豪華すぎる出演陣による演技対決は見応えがあり、各キャラクターも個性的で見せ場がきちんと用意されていてGood!!。
ホント台詞や会話内容がいちいち格好良くて惚れ惚れします。
 
毎度の事ながらディカプリオがトラブルメーカーで、そんな面倒臭い相棒に付き従うアーサー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットに萌え、サイトーの「航空会社ごと買い取った」に笑う。
 
ストーリーに関しては本作の肝であるので多くを語れないのですが、スリリングな物語がテンポ良く展開し2時間半という時間があっと言う間に過ぎ去ってしまった。
「夢」というテーマ故に荒唐無稽になるかと思いきや、設定を巧みに使いノーラン監督好みのリアルな世界観に留めていたのも流石です。
 
映像面もCGを多用し過ぎな近年のハリウッド映画とは違い極力実写で表現されており、
予告でも映っている「街中を走る列車」・「無重力下での格闘」・「空中を浮遊する人々」・「崩れ落ちる建築物」などなど、「どうやって撮ったのだろう?」という純粋な驚きに満ちている。
 
後半に掛けて情報量が増大しやや混乱するかもしれませんが、ノーラン作品としてはかなり解り易い方で、アクションシーン等の見せ場を含めエンターテインメント色の強い作りになっていると思います。
終盤の夢の多重構造にしたって、シチュエーションの違いで明確な差を出していたしね。 
 
ただ幾ら娯楽色が強かろうとこの映画の持つ独特の雰囲気は万人受けはしないでしょう。
特に映画を何も考えずアトラクションと割り切って観たい人には間違ってもオススメできません。
これは「3D」などという「まやかし」に頼りきって本質を疎かにし続けるここ数年のハリウッド映画にうんざりしている純粋な映画ファンが久しぶりに歓喜出来るタイプの大作映画なのです。
 
突き詰めれば随所に綻びはありますが映画を観終え劇場を後にした時。
「果たしてこの世界は…」
という疑念を抱く事請け合い。
あの意味深なラストシーンの解釈を含め頭を使って何度も楽しみたい傑作だと感じました。