「最後の一撃は、せつない。」
この言葉は『ワンダと巨像』のキャッチピーであり、作品をプレイした人が一様に感じる思いを代弁した言葉となっています。
眠り続ける少女「モノ」の魂を呼び戻す為、異質な存在「ドルミン」と契約を交わし古の地に住まう16体の巨像を倒すべく旅立つ主人公の「ワンダ」。
大切な人を救うという大義名分はある物の、聖域に足を踏み入れ其処に暮らす巨像を殺すという行為はエゴイズム以外の何物でもない。
それらの感情論と道徳観の狭間で巨像の急所に剣を突き立てた時、プレイヤーはこのキャッチコピーの真意に気付くでしょう。
ゲームを進めるにつれワンダの体は傷つき全身から生気を失い、その姿はまるで巨像を殺した罪に塗れているとでも言わんばかりに淀んで行きます。
そんな彼がボロボロになりながら16体の巨像を倒し、何を得て、何を失ったのか?。
自分の為にその手を血に染めたワンダの行動をモノはどう思うのか?。
この物語の結末を「ハッピーエンド」と取るか「バットエンド」と取るか、それもまたプレイヤーの判断に委ねられます。