今期終了作品で通して観ていたのは
『ゾンビランドサガ』『バナナフィッシュ』『寄宿学校のジュリエット』『となりの吸血鬼さん』『グリッドマン』『リリスパ』『アニマエール』『イングレス』『やがて君になる』『色づく世界の明日から』『青ブタ』『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま』『ゴブスレ』『ダグ&キリル』の14本。
他にも飛び飛びで流していたのが数作あるけどそれは割愛。
今期印象的だったのは意図しないネタ被りの多さで、『ジョジョ』で涙目のルカをやった週に『ゾンビランドサガ』で幸太郎がスコップで吉野警官(仮称)の頭を殴ったり、『リリスパ』の主人公が相手の肌を舐めて嘘を見破るブチャラティな能力持ちだったり、『ゴブスレ』で悪逆非道を貫くゴブリンが『転スラ』では気のいい仲間だったり、『グリッドマン』の終盤で裕太がズブリされ「アカネ刺す少女」になったりと、面白いくらい被っていて笑いました。
アニメの制作って準備期間含めたら数年は掛かるので狙ってできることじゃないんだけど偶然ってすごいね。
完全オリジナルタイトルとしては今期ぶっちぎりで輝いていた『ゾンビランドサガ』。
放送前はミスリードも相まって『まどマギ』から連なる「少女が過酷な運命を背負わされる系」か、最近多い「女の子を痛めつけるリョナ向けアニメ」だと思っていたのですが、蓋を開けてみれば正統派「ご当地」×「アイドル」×「ゾンビ」アニメでした。
近年のトレンドであるSNSでの口コミを狙ったであろう衝撃的な第1話は、あれで終わったら単なる1発屋ですが、そこからきちんと面白い本編に繋げるのが数ある駄ニメとの大きな差。
ともすればゴチャゴチャになりそうな各種の闇鍋設定も続編への布石を残したとはいえ1クールに纏めた手腕は相当なもので、愛ある自虐を含めたご当地アニメとしての嫌味の無さや、アイドル物として正しいキャラクターの魅せ方など、根っこの部分がきちんと作られているから純粋に面白かったです。
上映会での緘口令やヒットを見越した?続編ありきなラストなどスタッフには先見の明があるようなので、さらにパワーアップした第二期にも期待したい。
この作品、企画の発端がどう考えても「日本版キングスマンを作ろう!」だったと思われ、主題歌のCDジャケットが『ゴールデンサークル』のポスターそのまんまで笑いました↓
展開に関してはお約束の極みで、裏切ったと思われたメインキャラがダブルスパイで、殺されたと思われた仲間も悪党や過去の人物以外は全員健在という、いつものタカヒロ作品では考えられないようなハッピーエンドに多くの視聴者が度肝を抜かれたに違いない。
あとエンディングテーマが何気に今期1~2を争う良曲で良かったです。
『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』に関しては「先にタイバニの続編を作れよ…」と懐疑的だったのですが、蓋を開けてみれば「海外ドラマのバディ物」を観る感覚で楽しめる間口の広い作りで今期の中で最も非オタに進められる作品でした。
見た目美少女(だが男だ)なキリルや、三上哲さんの声が嵌りすぎなダグを初めとする濃すぎる面々に加え、それすら凌駕する千葉繫さんリスペクトな上田燿司さんのフリーダムな語りなど公式が良い意味で暴走していて素晴らしい。
有名な刑事ドラマをもじったサブタイトルを連発したり、「警察密着24時」ネタに走ったり、ピー音・モザイク・メタフィクション・etc.と、個人的にヒーロー縛りのあるタイバニよりも好き勝手やっていて好みでした。
一応、タイバニと同じプロジェクトを謳っているので最終的に『アベンジャーズ』みたく両作のクロスオーバーとかを目論んでいるのかもしれませんね。
おじさんホイホイな特撮テレビドラマをこの時代にアニメ化した『SSSS GRIDMAN』。
原作の放映は25年前とあって、若い世代に向けた直接的な繋がりのない独立した物語なのかと思いきや、中盤から徐々にオリジナルとの接点が見え隠れし最終的に同一世界の出来事として着地する構成に驚嘆したのは私だけではないはず。
そういう意味では『トップをねらえ!2』に近い作りだったと言えるかもしれません。
文字通り実写に回帰するエピローグは元のグリッドマンを知らない人は面食らったでしょうが、もともとバーチャル世界での戦いを描く時代を先取りまくった作品なので、「オリジナル版の〇話と〇話の間の出来事」と言っても通用するこのウルトラCでアニメ版の幕を下したスタッフの采配は見事と言う他ない。
何かと「原作通りアニメ化しろ!!」という風潮が強い昨今ですが、こういうサイドストーリー的な形で物語が繋がるのは意外性があって私は良いと思います。
これなら原作ファンも新鮮な気持ちで観れますし、ご新規さんは原作に興味を持ってくれますからね。
ラノベ~マンガ系の原作物で個人的に一番良かったのが『青ブタ』。
タイトルが強烈かつ、主人公のセリフ回しがラノベ的で好き嫌いが分かれるところですが、登場人物の細かな仕草を含めすっごい丁寧に作られていてドラマとして純粋に面白かった。
原作未読なのでどのような取捨選択をしたかは分かりませんが「麻衣さん」「古賀ちゃん」「双葉」のエピソードは伏線などの情報量と会話を含むテンポ感が秀逸で素晴らしいの一言。
逆に「のどか」回は終盤の詰め込み過ぎな感が否めず、「かえで」回は続く劇場版への兼ね合いかいまいちスッキリしない終わり方だったのが残念。
双葉の時みたく、もう一方の人格の救済とかはないのだろうか?。
それはそれとして本作のヒロインはどの子も魅力的すぎるんだけど、特に麻衣さんの理想の彼女っぷりが凄まじい。
「咲太が思っているより私、咲太のこと好きよ」
とかホントどんな殺し文句ですか?。
そりゃ咲太も
「麻衣さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!。好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
と叫ぶわなww。
近年稀にみる圧倒的正妻力で、私も美人な先輩にこういうこと言われたい人生だった…(´・ω・`)