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和月伸宏 「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編- ①」(集英社)

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いろいろあったけど無事出版された『るろうに剣心』最新刊。
本作に限らず昔取った杵柄的な感じのリバイバルには思うところもありますが、本連載の時に構想のみで断念された「北海道編」を和月伸宏さん自ら執筆するとあってスルーという選択肢はありませんでした。

構想では確か瀬田宗次郎が主人公と言われてましたが、そこは大人の事情で新キャラクターの少年少女3人トリオを投入しつつ剣心が出張る展開になっているのはご愛敬。
若干理屈臭いところはあるものの、死んだと思われた神谷薫のおやっさん(剣心的にはお義父さん)が北海道で生きていて、それを迎えに行くというのは動機としては十分だし、弥彦に託した逆刃刀を剣心が再び握る理由も「逆刃刀は人を斬り殺してきた人間こそがその力加減を見極め真価を発揮できる」というのはギリギリ納得できる落としどころだったと思う。

例によって新キャラは既出キャラに比べ影が薄いのだが、その筆頭である明日郎(悪太郎)は志々雄と面識があり、その愛刀・無限刃を手にした裏弥彦的なポジションなのが面白い。
剣客としての素質があるものの未成熟な危うさがあり、世の中に失望し悪に染まるのか、はたまた剣心との出会いで人を活かす道に目覚めるか、その点にも注目していきたいと思います。