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『劇場版 MOZU』(2015年) -☆☆☆☆☆-

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日曜のド深夜に『劇場版 MOZU』が地上波初放送されたので録画鑑賞。
新たに加わった豪華キャストと海外ロケを敢行したスケールの大きなアクションが売りだった訳ですが、蓋を開けてみればハリウッド映画をドヤ顔で模倣し格好良さをひけらかすだけのお寒い演出と、破綻しまくった説得力の欠片もないストーリーに心底ガッカリさせられました。

導入部の松坂桃李演じる中二病テロリストの犯行からして整合性がとれておらず、金も武器も揃ってるならこんな回りくどい事しねぇで最初から大使館を襲撃して目的のモノを奪ってけよって話。
(事実、最後はそうしてる)

西島秀俊扮する主人公にしても犯行現場に都合よく居合わせて武装した拉致犯を素手で制圧、乗ってる車にアサルトライフルRPGを撃ち込まれても死なないスーパーマンかと思えば、保護してる要人をチンピラにうっかり連れ去られたり、ビルから落ちそうになった少女を持ち上げるのに手こずるなど人物描写が支離滅裂で開いた口が塞がらない。

放送に際してカットされたシーンもあるのだろうが、それを差し引いても編集が雑で場面の繋がりがチグハグ。
なんの必然性もなく「画になるから」という理由で選んだとしか思えないロケーションを転々とし、やたらと感情的で属性過多なアニメキャラのような登場人物がわちゃわちゃ暴れ回るただそれだけのファンムービーでした。

何よりも重要視されるべき脚本を蔑ろにした結果、最後のオチも脱力必至。
こんなん評価してるのは出演俳優のファンくらいでしょう?。

最後にテレビシリーズでは喫煙シーンが多いと批判されましたが、これもハードボイルドを履き違えたスタッフが「カッコイイじゃん」とかいう理由で乱用してるだけで必然性は無い。
特にこの劇場版はそれが顕著で場面が変わる度にスパスパ吸って、極め付けが高級レストランの広間で他の客が食事中にもかかわらず煙草をふかす香川照之とか時代錯誤すぎてギャグにしか見えませんでした。