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『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(2015年) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

製作: 2015年 日本
時間: 88分
原作: 諌山創 
監督: 樋口真嗣  
脚本: 渡辺雄介 町山智浩
音楽: 鷺巣詩郎   
出演: 
三浦春馬(エレン)
    長谷川博己(シキシマ)
    水原希子(ミカサ)
    本郷奏多(アルミン)
    三浦貴大(ジャン)
    桜庭ななみ(サシャ)
    松尾諭(サンナギ)
    渡部秀(フクシ)
    水崎綾女(ヒアナ)
    武田梨奈(リル)
    石原さとみ(ハンジ)
    ピエール瀧(ソウダ)
    國村隼(クバル

あらすじ

超大型巨人によって破壊された外壁の修復作戦に出発したエレンたち調査兵団は、巨人の襲撃によって窮地に陥る。エレンも深手を負った上に、仲間のアルミンをかばって巨人に飲み込まれてしまい、その場にいた誰もが絶望の淵に立たされる。しかしその時、謎の黒髪の巨人が現れ、他の巨人たちを駆逐しはじめる…。

予告映像

感想

アニメ第二期が発表され、いよいよ黒歴史として完全封印されそうな「実写版 進撃の巨人」後編を観る。
前編が言うほど悪くなく、むしろ好印象だったのでワンチャンあるかと期待したのですが結果は残念至極。

とにかく88分という短い本編に凄まじい量のツッコミ要素が詰め込まれており、整合性がとれている部分を探す方が困難なレベル。
例えば前作は夜間に細心の注意を払って移動していたにも拘わらず巨人に見つかり喰われまくったのに、今回は白昼堂々車で移動しようが大声で騒ごうがドンパチやろうが一匹も寄ってこないのだから笑ってしまう。

加えて、原作とは似ても似つかないモブザコ集団に成り下がった「調査兵団」や、最後まで見せ場がないジャンの扱いなど、ファンに喧嘩を売りまくる改変にも呆れるばかり。
こんな事したら叩かれるに決まってるだろうに…(;一_一)

前作に比べ立体起動装置を使ったシーンが激減した為アクション全般も物足りず、ハイライトであるエレンゲリオンと鎧の巨人の対決にしても、やってる事は『サンダ対ガイラ』の焼き増しでしかなく、もっと「CGなんて駆逐してやる!!」くらいの「あっ」と驚く革新的な特撮映像を見せて欲しかった。

何かにつけて爆発するワンパターンな構成にお寒い自己犠牲、壁を修復不可能なほど破壊すればそれで済む話なのに何故か小さな穴に拘り右往左往するお頭の弱いラスボスや、唐突な「昨日の敵は今日の友」展開など、小学生がその場のノリで考えたような説得力の欠片もない脚本に何故プロデューサーや監督がGOサインを出したのか理解に苦しむ。

巨人に支配された世界の真実もテンプレなら、ラストも「これで終わり?」というくらい呆気なくカタルシスは皆無。
極め付けがスタッフロール後に用意された全てを台無しにするあの意味不明なエピローグで、どういう意図でこのシーンを加えたか知りませんが、その無神経さに心の底から腹が立ちました。

石原さとみ嬢のキレッキレなハンジや、思い掛けない國村隼さんの怪演など、演者は良い仕事をしているのに本当にもったいない!!。
やはり当初の予定通り中島哲也監督がメガホンをとった『進撃の巨人』が観てみたかった…。