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『チャッピー』(2015年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Chappie
製作: 2015年 アメリ
時間: 120分
監督: ニール・ブロムカンプ
脚本 ニール・ブロムカンプ
出演 シャルト・コプリー(チャッピー)
    デブ・パテル(ディオン・ウィルソン)
    ニンジャ(ニンジャ)
    ヨーランディ・ビッサー(ヨーランディ)
    ホセ・パブロ・カンティージョ(ヤンキー(アメリカ))
    ヒュー・ジャックマン(ヴィンセント・ムーア)
    シガニー・ウィーバー(ミシェル・ブラッドリー)
    ブランドン・オーレ(ヒッポ)

あらすじ

2016年、南アフリカヨハネスブルグでは、テトラバール社の開発した警察ロボットが配備されて注目を集めていた。ロボット開発者のディオンは、自ら考え、感じる人工知能(AI)を独自開発し、スクラップ寸前の1台のロボットに密かにAIをインストールしようとする。しかし、その矢先にストリートギャングに誘拐されてしまい、AIをインストールして起動したロボットは、ギャングの下でチャッピーと名付けられ、ギャングとしての生き方を学び、成長していく。そして、ディオンのライバルでもある科学者ヴィンセントにチャッピーのことが知られ、その存在を危険視するヴィンセントによって、チャッピーは追い詰められていく…

予告映像

感想

次期エイリアンの監督を任されたニール・ブロムカンプが人工知能」をテーマに描いた長編映画第3弾『チャッピー』を鑑賞。

舞台は治安維持のため自律型ロボコップが導入された2016年の南アフリカ
天才プログラマーが上司に内緒で人工知能を開発し廃棄予定のロボットにインストールしたらギャングに奪われて大変な事になってしまうというお話。

あの国に最新鋭のロボットを導入する資金があるのかとか、あんな危険な街で社員に護衛をつけない警備会社ってどーなのよといった具合に導入部から思う所は多々あるのですが、出動する度に破壊される不運な機体にインストールされるチャッピーのキャラクター付けが秀逸で唸らされる。

豚に真珠でとんでもない代物を手に入れてしまった下っ端ギャングが「あーじゃない」「こーじゃない」とチャッピーに学習させていく過程はコメディ作品を観ている様で、犯罪の片棒を担がせようと悪い事を吹き込むダメオヤジに対し、見た目派手派手なギャルママが意外に子煩悩というギャップが笑いを誘う

人工知能は人類を滅ぼすという欧米思想に毒されていないニール・ブロムカンプ監督はチャッピーをアトムのような純粋存在として描き、生き残るため彼が思い付いた「ある手段」が本作の大きなサプライズとして機能していきます。
「機械の体に魂は宿るのか?」というお馴染みの問いに逆転の発想で答える超展開には度肝を抜かれるのですが、伏線があったとは言え、あんな事になってしまったあの人をアレしてしまうラストのウルトラCは反則で、お墓すら作ってもらえないアメリカの不遇っぷりも相まって「なんでやねん!!」と思ってしまった。

ヒュー・ジャックマン演じるリアルジャイアン(爆)の小物臭溢れる短絡的な行動や、「ダイ・アントワード」演じるギャングのカップルが思ったほどチャッピーと絆を育まないなど、予想を悪い方に裏切って行くため後半の失速感が半端なく、ロボット物なのにアクションシーンが地味というのも致命的。
ムースとチャッピーのガチンコバトルは映画のハイライトなのだから、もっと派手にやるべきだったのではないか?。