旧いまここにあるもの

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制作発表から10年。遂に完成した『熱風海陸ブシロード』を観る。

約10年前にガイナックス・タカラ・ブロッコリーなどが中心となり進めていた一大メディアミックスプロジェクト『熱風海陸ブシロード』
原作者である吉田直さんの急逝など様々な不幸に見舞われ映像化されないまま凍結されていたこの作品が長い時を経て遂に完成。
晦日にMXとBS11で放送されました。
 
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ブシロード」と言えば会社名を思い浮かべる人も多いでしょうが、それは当時製作総指揮としてプロジェクトに参加していた社長の木谷高明さんが本作を何れ再始動させるという決意のもと名付けたからであり、今回ようやくその想いが実現した形になります。
 
以前はガイナックスがアニメーション制作を手掛ける事になっていましたが、庵野秀明さんをはじめ当時のスタッフがこの10年で独立してしまった為、『CØDE:BREAKER』や『ゆゆ式』などで知られるキネマシトラスに変更。
メインスタッフの多くも入れ替わってしまいましたが、デザイン面には引き続きニトロプラスが関わっています。
 
 
3時間特番として放送されましたが前半の1時間18分はナビゲート番組となっており本編はその後スタート。
物語は「シノビ」と呼ばれる異形の存在によって祖国を滅ぼされた亡国の姫君・アメと、「シノビ」を倒す為作られた生体兵器「ヤギュウ」の血を引く少年・スオウの出会いと別れを描くボーイミーツガール物。
荒廃した世界を舞台に怪物やロボットまで登場するSF時代劇といった感じですが、やはり尺が短くトントン拍子で話が進み過ぎるきらいがあります。
 
登場人物は近年の"駄ニメ"みたいに無駄に多くなく、主役のアメとスオウに限定したシンプルな構成にも好感が持てるのですが、その割に2人の交流や互いを意識するといった描写が表面的でいまいち盛り上がらずクライマックスの告白も不自然に感じてしまった。
 
頼んでもいないのに1から100まで説明してくれる『BLEACH』だったら負けが確定したような三下臭が半端ないボスキャラもハッキリ言って邪魔臭いし、そもそもあんなに戦闘シーンを入れる必要があったのだろうか?。
もっと凝縮してくれた方がインパクトがあったし、その分をドラマパートに割けたと思うのだが…。
 
幕切れも唐突でBlu-rayにはエピローグが入るようですが前半にナビゲート番組を入れるくらいならそっちを放送して欲しかったと言うのが正直な感想。
映像化出来ただけでも奇蹟なのだがやはり2クールくらい使ってじっくり描いた方が良かった気がします。
 
評判が良ければテレビシリーズ化なんて事もあるかもしれませんが、この感じだと厳しいだろうなぁ…(;一_一)