秋から始まる新番組に向けてHDDレコーダーに撮り貯めた番組を整理中。
いやしかしどの時間に、どんな番組が始まるか全然把握してないや(苦笑)。
さて始まる前からボロクソに言われていた『ガンダムAGE』が打ち切りの噂を余所に49話という中途半端ながらも取り敢えず1年間という放送期間を乗り越え最終回を迎えました。
やってる事はちゃんと戦争だったりするんだけど三世代に渡って描いた割に(描いたからか)内容が薄かったなという印象。
世代間のドラマというのが今回のガンダムの新しい要素の一つだったのですが描写がどれも表面的過ぎて私は価値を見いだせなかった。
進化するガンダムというキャッチコピーの元となった「AGEシステム」に関しても中盤以降めっきり出番がなくなり何だったのかと思わざるを得ない。
MSの戦闘も終盤はビットorファンネル最強伝説で個性のない戦いを強いられていたしねぇ…。
地球から見放された人類がロストテクノロジーを手にし報復をするというプロットもやはり『機動戦艦ナデシコ』などと丸被りで新鮮さは無い。
しかも10年以上前の作品と比べ脚本の密度や完成度、メッセージ性や戦争の本質の描き方など全てにおいて劣っているのも如何なものか?。
そもそも正体不明の敵が同じ人間だったという物語上の「どんでん返し」を1クール目でバラしてしまっては意味がないではないか?。
本作に限らず『ギルティクラウン』など最近の2クール以上のタイトルは総じて
「どうしてこんな風にしたのさ?」
って所が多すぎて問題点が書き切れないんだけど、それでも1年続いた物語の集大成であるラスト5話くらいのテンションはかなりのモノで、作画もめちゃくちゃ頑張っていたし勢いで押し切られた感はあるけどなかなか楽しめましたよ。
まぁマスクマンであるゼハートが噛ませ犬だったり、真のラスボスがヴァジュラだったり、搭乗者が『ガンダムUC』から出張で駆け付けたリディ(浪川大輔)マーセナスさんだったり(爆)、ガンダムがフルドリライズ形態のグレンラガンみたいになったり、最後の最後にトントン拍子で平和が訪れて「えー!!」って感じではあったけどね。
しかし『種運命』でキラがやっていた敵を殺さないで倒すというご都合主義なやり方のリスクを確りと指摘していた点は非常に良かった。
キラは聖人気取りな上から目線でさも自分が正義みたいにやってたからムカついたけど、キオは若いから許せたしちゃんと矛盾を理解した上で戦っていたから共感出来る。
「戦争と言えど出来る事なら殺したくない」って至極当たり前の事を言ってるだけだし、友人が殺されたら激昂して敵を嬲ってそんな自分の姿に愕然としたりと、その辺りは非常に人間臭く描かれており評価したいですね。
私的に「ガンダムだからこうあれ」という固定概念は長い目で見ればブランドの可能性を狭める事になるので新しいアプローチはどんどんやるべきだと思います。
ただ本作は色々と至らない点が多く、やるならやるでもっとアイデアを出し合って脚本を煮詰めて欲しかった。
キャラクターの頭身が低くても構いませんが、ターゲット層が低いからと言って物語の構成や世界観の描き込み不足は批判されて然るべきだと思います。
さてこれで『AGE』も一段落した事だし次は待望の『THE ORIGIN』でしょうか?。
個人的な希望なのですが次に完全新作を作るのであれば
"女性が主人公のガンダム"
を観てみたいと強く思います。
それはそれでまた批判されるのでしょうが、シリーズに新たな風を拭き込むという意味では一番解り易い設定だと私は考えております。