2011年・秋のアニメ新番あれこれ(『たまゆら』・『はがない』・『マケン姫っ!』・『ペルソナ4』)

この他に『君と僕。』と『ちはやぶる』も観たのですが特筆すべき点が無かったので保留。

『たまゆら～hitotose～』

 

『ARIA』スタッフによる今期一番の御当地＋癒しアニメ。
OVA版の評価がすこぶる高かったので期待していたのですが、ゆーみん×坂本真綾さんのOPテーマからしてもう完璧でした。

 

１話は父の死を乗り越えようとするヒロインの旅立ち前夜的な話で、形見のカメラを貰い受けたり、泣き虫な親友とのちょっぴり切ない別れ話があったりと、掴みの話数として申し分ない。
アニメ作品にしては珍しくカメラメーカーや鉄道会社などが実名で登場しており、淡い色調で描かれた背景美術など画面全体から漂う優しい雰囲気を含め作り手の拘りを強く感じました。

 

それと個人的には行動派なお母さんを緒方恵美さんが演じていてビックリ。

(こういう大人の女性キャラを担当するのって『円盤皇女ワるきゅーレ』以来だろうか?)

緒方さん自身「どうして自分にこの役が回って来たのか解らない」と仰ってましたが、私はかなり嵌っていたと思います。

『僕は友達が少ない』

注目度で言えば今期１・２を争う、残念な美男美女が本当の友達探しに勤しむ『はがない』。

『とらドラっ!』の竜児みたいに外見で誤解されている主人公が、涼宮ハルヒみたいに我が道を行くヒロインの作り上げた「隣人部」に強制入部させられ、其処にリア充が攻め込んで来た所で１話目は終了。

 

夜空のエア友達は映像で観ると余計痛々しく、締め出し食らって半べその肉(星奈)はより可愛い。

そして何度見ても「隣人部」の張り紙は残念だww。

 

全体的に無難なアニメ化という印象だが、『電波女と青春男』ほどブリキさんの絵柄をアニメに落とし込めておらず、終始作画も粗かったので２話以降のクオリティに不安が残る。

 

次回は問題のゲーム回。

ここをどう乗り切るかでアニメ化の成否が決まって来るだけに是非とも頑張って頂きたい。

『マケン姫っ!』

 

原作者が武田弘光さんとあって規制の嵐を予想していたのですが、それなりに観れる第１話でビックリしました。
少なくとも画面真っ白＋音声規制でアニメとして破綻していた『クイーンズブレイド』『聖痕のクェイサー』『魔乳秘剣帖』なんかに比べれば全然マシ。

 

しかし乳とパンツとラッキースケベで出来ている割にメインスタッフが豪華で驚かされました。
脚本の黒田洋介さんはまぁガチオタだしこういう作品の担当経験もあるけど、『天空のエスカフローネ』『地球へ…』など美麗な絵柄で知られる結城信輝さんがキャラクターデザインというのは何の冗談ですか?。

最近は『聖痕のクェイサー』に原画で参加したりもしてましたが、この人くらい上手ければもっとレベルの高い現場からお呼びが掛かりそうだれど…。

こんな大物を起用した割に本編の作画はパッとせず色々な意味で微妙だった。

 

本編は今後どんどん真っ白くなりそうなんで、初回放送では流れなかったOPアニメーションの出来にでも期待しよう…。

『persona4 the ANIMATION』

 

原作ファンとしては正直、無謀としか思えないアニメ版が始まってしまいました。

 

初っ端から不安要素の１つだった今は亡き田の中勇さんが演じていたイゴールが喋ったので驚かされた。

特別出演とクレジットされている事からゲームの音声を流用したと思われますが、どういう形であれ田の中さんの出演は嬉しいサプライズ。

 

OPテーマはゲーム同様「Pursuing My True Self」。
日付が変わるシーンで同じカレンダーのカットを使ったり、アイキャッチで主人公のパラメーターを表示したり、戦闘で「カッ」となったりと、かなり原作を意識した作り。

 

ただ裏を返すとこれはアニメオリジナルのアプローチが全く感じられないという事にもなる。
展開はゲームのイベントをなぞるだけで芸が無く、そのくせ作画は終始ぎこちない。

もともと副島キャラはアニメ向きじゃないが、その辺り『トリニティソウル』の方がまだ雰囲気が出ていた気がする。

 

正直「アニメという媒体に落とし込んだ」というより「ゲームをそのままアニメに置き換えただけ」という印象しか受けなかった。
１話目でこれでは正直、先が思いやられる…。