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イム・ピルソン監督作品 『南極日誌』(2005年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: ANTARCTIC JOURNAL
製作: 2005年 韓国   
時間: 115分
監督: イム・ピルソン  
脚本: イム・ピルソン 、ポン・ジュノ 、イ・ヘジュン 
音楽: 川井憲次 
主演; ソン・ガンホ(チェ・ドヒョン隊長)
    ユ・ジテ(ミンジェ)
    カン・ヘジョン(イ・ユジン)
    パク・ヒスン(イ・ヨンミン)
    キム・ギョンイク(ヤン・グンチャン)
    ユン・ジェムン(キム・ソンフン
    チェ・ドクムン(ソ・ジェギョン)

あらすじ

南極の到達不能点を目指す6人の探検隊。
日が沈まぬ白夜の中を只管進む彼らはその道中80年前のイギリス探検隊が残した日誌を発見する。
不気味なイラストが描かれたこの日誌を手にした日を境に彼等の周りで起こり始める不可解な現象。
何処までも続く白銀の世界と何時までも地表を照らし続ける太陽が精神を蝕み隊員同士が疑心暗鬼に陥る中、1人また1人と仲間の姿を消していく…。

予告映像

感想

新春特番対抗勝手に映画祭り第二弾(笑)。
今回は何故か私のDVDライブラリに未見のまま眠っていた『シュリ』殺人の追憶』のソン・ガンホ主演の『南極日誌』を鑑賞。
 
ニュージーランドで撮影された美しい映像と川井憲次さんのお約束ともいえる旋律が流れる中、冒頭から隊員達が仲良く「俺国に帰ったら結婚するんだ♪」と死亡フラグを立てまくり嫌な予感しかしない(汗)。
案の定物語はどんどん悪い方へ転がって行き、残された隊員達は肉体的にも精神的にも極限状態へと追い込まれて行く…。
遊星からの物体X』よろしく謎の生物や『リング』などの日本製ホラーを思わせる怪奇現象をバンバン登場させ恐怖と共に「何処まで風呂敷を広げ続けるんだ?」と別の意味で不安にさせてくれる物語はほぼ全ての謎に明確な答えが出ないままフェードアウトしてしまう。
映画に限らず小説や漫画には時に受け手が想像する「余地」を残す事も必要だと思うが、これはその限度を軽く越えている。
どんなに想像力豊かな人間でもこれを脳内補完する事はまず不可能だろう(苦笑)。
 
という訳でストーリーにはかなりの難があり、納得の行く結末など用意されていないので最初から期待しない方が良い。
だが役者の演技力に関しては必見の作品である事は間違いない。
例えプロットが破綻していようが、スペクタクルシーンを加える事なく人が狂って行く様を淡々と描いていようが、その迫力だけで私は最後まで観れてしまった。
フードとゴーグルで表情が殆ど隠れているのに其処から漏れ伝わって来る感情は凄いの一言!!。
特にソン・ガンホの怪演ぷりは一見の価値あり!!。
 
映画自体はドラマの最終話をバッサリ斬り落とした様な後味の悪さを残し、何を伝えたかったのかもさっぱり解らないのだが、映像と音楽と演技の素晴らしさだけでグイグイ引き込まれる不思議なパワーを持った作品だ。