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『ワイルド7』(2011年) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

製作: 2011年 日本
時間: 109分
原作: 望月三起也
監督: 羽住英一郎
脚本: 深沢正樹
音楽: 川井憲次
出演: 瑛太(飛葉大陸)
    椎名桔平(セカイ)
    丸山隆平パイロウ)
    阿部力(ソックス)
    宇梶剛士(オヤブン)
    平山祐介(ヘボピー)
    松本実(B・B・Q)
    要潤(藤堂正志)
    本仮屋ユイカ(岩下こずえ)
    中原丈雄(成沢守)
    吉田鋼太郎(桐生圭吾)
    深田恭子(本間ユキ)
    中井貴一(草波勝)

あらすじ

凶悪化の一途を辿る犯罪に対し政府は既存の警察組織の権限を超えた執行部隊「ワイルド7」を秘密裏に組織。
元犯罪者の中からスカウトされた飛葉大陸(瑛太)を始めとする7人のメンバーは、社会を震撼させる凶悪犯たちを次々と"退治"していく。
 
そんな中、発生する細菌兵器を用いた国家脅迫事件。
ワイルド7」の活躍によって事件は無事解決するのだが、このテロ情報を巡り公安の情報分析統括官の不正が発覚する…。

予告映像

感想

テレビドラマ・テレビアニメ・OVA化もされた望月三起也さん原作の同名コミックを「海猿シリーズ」の羽住英一郎監督が実写映画化した『ワイルド7』が「映画天国」で放送されたので観る。
 
ちなみに私は原作未読で幼少期OVAをちらっと見た程度の知識しかないのでキャストがどーだとか、イメージがあーだとか言えませんので、そういった部分はすっ飛ばして評価します。
 
取り敢えず邦画らしからぬ大規模ロケによるスケール感や火薬量に物を言わせた派手な映像は良いと思います。
が、それ以外は本当に取るに足らない愚作。
 
メインであるはず?のバイクアクションは申し訳程度だし、終盤は単にドンパチしてるだけの変わり映えしないシーンが延々と続いてハッキリ言って退屈。 
ワイルド7」の存在は政府によって隠蔽されているという体なのだが白昼堂々ドンパチやったり、人ごみで銃を振り回したりと秘密部隊が聞いて呆れる。 
例によって主人公側の弾は百発百中、逆に敵の銃弾は特殊なフィールド(笑)によってことごとく逸れていく超絶チート仕様。
更に民間人や警官隊など意図しない相手に銃を乱射した際には都合よく死傷者ゼロというオマケ付きだ。
 
一般人が高性能な銃器を容易に入手し、あっちこっちでテロが頻発するなど日本の治安がクライマックス状態でツッコミ出したらキリがない。
ハリウッド映画同様そういう物なのだと割り切れば許容出来なくもないのだが、ドラマもカタルシスもない素人レベルの雑な脚本が見事に止めを刺してくれた。
 
個性的なメンバーの過去や内面を掘り下げない癖に色気を出して孤独な主人公と復讐を誓うヒロインの安っぽいロマンスや、父と娘の薄っぺらいドラマを取って付けたように放り込んだ結果、全てがダメになってしまっている。
こんな事なら邪魔な女性陣を消し去って、男たちの友情と正義の意味を問う硬派な物語にした方がよっぽど面白かったのではないか?。
 
肝心の悪党の小者臭も半端なく、その所為で最後もまったく盛り上がらない。
ここはもっと強烈な絶対悪を登場させ、それを"退治"してスッキリ終わらせるのが娯楽映画としての筋だろう?。
 
この手の作品全般に言えることだが、基本的な部分(この場合、脚本)が全く練られておらず、見切り発車で撮影を始めたとしか思えない。
題材も演者も良い物使っているのに、どうしてこんな下らない物が作れるのか本当に不思議だ。