旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

TV放送にて『容疑者Xの献身』 を観賞。

イメージ 1

年末特番として放送されていたので観ました。
最初はありきたりなTV局制作の劇場作品かと思っていたのですが、蓋を開けてみれば異様なまでの迫力に満ちた人間描写に終始圧倒されっぱなしの2時間でした。

TVシリーズの『ガリレオ』といえば福山くん演じる湯川先生が主役であり見所でもあったのですが、映画版はゲストキャラクターでありキーパーソンの石神哲哉と彼を演じた堤真一さんに全て持っていかれていた様に思います。

感情を排し合理的に行動する男(『DTB』の能力者の様)が計画し実行した完全犯罪。
天才であるが故に人と交わらず数学以外に興味を示さなかった石神が、初めて心から守りたいと思った人の為に矛盾だらけの犯罪という手段に手を染める…。
誰かを守る為に誰かを傷つける彼の行動は決して褒められた事ではないのですが、堤真一さんの鬼気迫る演技によって石神哲哉というキャラクターには善悪では割り切れないとても人間臭い魅力を感じました。

序盤の風変わりだが優しい隣人から全てを見透かしストーカーの様な行動を取る中盤に掛けての変化。
そして淡々と機械的に行動しおよそ人間らしくなかった石神が最後の最後で感情を「溢れさせる」シーンは正に圧巻!!。
ここにはある種のカタルシスを感じました。

TVシリーズに比べ全体的に暗くて重い雰囲気が漂いインデペンデントやアート系作品に似た雰囲気を醸し出している本作。
TVの乗りで!!とは行きませんでしたが、人間ドラマとしてはかなり観応えのある作品になっていたと思います!!。