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『アイ・アム・レジェンド』(2007年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題 I AM LEGEND
製作 2007年
時間 100分
監督 フランシス・ローレンス
原作 リチャード・マシスン
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
脚本 マーク・プロトセヴィッチ 、アキヴァ・ゴールズマン
出演 ウィル・スミス(ロバート・ネビル) アリシー・ブラガ(アナ) ダッシュ・ミホク(アルファ・メイル) チャーリー・ターハン(イーサン) サリー・リチャードソン(ゾーイ・ネビル) ウィロウ・スミス(-) ダレル・フォスター(-) エイプリル・グレイス(-) ジェームズ・マッコーリー(-)

あらすじ

2012年。新種のウィルスが蔓延した世界で1人治療薬の開発に明け暮れる科学者のロバート・ネビル(ウィル・スミス)。
彼は無人となったニューヨークで愛犬サムと共に3年もの間サバイバルを続けていた。
日中は狩りをこなし生存者に向け無線で呼びかけ続け、夜は息を潜め"変わり果てた者達"からの襲撃を回避する日々。
だがそんな生活もある出来事を切っ掛けに唐突に終わりを迎える事となる…。

予告映像

感想

個人的にツボだった『コンスタンティン』のフランシス・ローレンス監督作で主演がウィル・スミスだったので期待していたのですが、正直微妙でした。

映画が始まると同時に観客は無人となったNYに放り出されるのだが、主人公しか居ない大都会の描写は圧巻で、どこまでがCGで作られたものか見分けがつかない。
最初はネビルと愛犬サムの一日が淡々と描かれ、夜の訪れと共に暗闇の中に"何か"が居る事がそれとなく描写される。
そして翌日、狩りの最中獲物を追ってサムが真っ暗な建物の中に入ってしまいそこで…。
てな具合で中盤までは雰囲気作りや演出が秀逸で作品世界にグイグイ引き込まれたのだが、思いがけず生存者が現れてからはグダグダになってしまった。
そもそも特別な知識やスキルがある訳でもない小綺麗な女子供が生き残ってましたって、ここまでのネビルの苦闘全否定ではないか?。

そして何と言ってもこの映画はラストが酷い!!。
本国アメリカでは大ヒットしたそうだが、途中までの伏線を全て破棄し、自己犠牲と相いれない存在を殺す事を美化したとんでもない展開で、それで「彼は伝説になった」とかおこがましいにもほどがある!!。
未だに自己犠牲と暴力による救済がウケているアメリカという国が私は恐ろしい。

ちなみにソフト版には公開版とは別ラストが収録されているのだが、こちらは主人公が「伝説」にこそならないが伏線もきっちり回収され、非暴力や調和といったメッセージも込められた素晴らしいものになっている。
このバージョンを「衝撃の別エンディング」と銘打っているが自分は人間のエゴ丸出しの公開版の方が衝撃的だった。