旧いまここにあるもの

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2018年夏終了アニメあれこれ。

中国主導のアニメが台頭し日本のアニメは終わり的な記事を最近ちょいちょい見かけますが、それはそれとして毎期1本は確実に登場する良作をきちんと評価してあげて欲しい私です。
制作会社が次々倒産したり万策尽きる作品が続出するなど疲弊している事は肌で感じるのですが、優れた作品がコンスタントに誕生している以上、私はまだまだ終わりとは思えません!。

さて今期最終回を迎えた作品で通して観ていたのは『弱虫ペダル』『ウマ娘』『多田くんは恋をしない』『こみっくがーるず』『ひそねとまそたん』『ヲタクに恋は難しい』『ガンゲイル・オンライン』。
飛び飛びで観ていた作品として『カードキャプターさくら』『覇穹 封神演義』『ラストピリオド』。
そして今日までに終わらなかった作品(最終回が持ち越しになった作品)として『フルメタル・パニック!』『ダーリン・イン・ザ・フランキス』があります。

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多くの人が認めるところと思いますが今期のダークホースは間違いなく『ウマ娘』でしょう(馬だけに)。
制作がP.A.WORKSなので一定のラインは越えてくると思いましたが『SHIROBAKO』を彷彿とさせる史実を交えた笑いあり涙ありな作風は最後までとても楽しめました。

食傷気味な美少女擬人化にアイドル要素の掛け合わせと狙い過ぎて倦厭される題材でここまで面白くなったのは、ひとえにスタッフの原作愛(この場合は競馬)が強かったからに他なりません。
考察サイトなどを見ると細かな描写にもモデルとなった名馬の個性がきちんと反映されており、それによってすべてのキャラが1クール作品とは思えない魅力を放っていて素晴らしい。
良作の条件は捨てキャラがいない事だと常々思っているのですが、本作がまさにそれ。

あと海に行っても色気がゼロだったり、温泉に行っても入浴シーンがカットされたのは、公式が薄い本を牽制したのと同じ理由からなのでしょうが、結果として露骨なサービスではなく可愛いシーンを増やす事に繋がったので良かったと思います。
正直「ポテ腹」の方が変な性癖を拗らせそうでヤバい気もするのですが(汗)、グラスちゃんの聞き耳を立てる仕草とかホント愛らしすぎるんじゃあ~。

ちょいちょい挟むギャグも秀逸でデカ字幕で「調子に乗んな!」は爆笑だったし、勝敗の行方を視聴者に委ねる大団円の最終回ライブから迷(名)曲「うまぴょい伝説」で締める流れもホント好き。
こうなると原作のソシャゲにも注目が集まるところですが、これだけお膳立てしてアニメ終了と同時にサービスを開始しない運営はホント何やってるんですかね?。
これこそ「いつやるか?。今でしょ!!」なのに、頼むからさっさと立ち上げて課金収入で第二期をお願いします。

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オリジナルタイトルでは『ひそねとまそたん』も地味ですが良かったです。
突飛な設定や時代に媚びないキャラデザのわりに終盤は王道展開で意外性が無かったけど、甘粕ひそねのちょっとKYなんだけど自分の芯を曲げないところとか勇気を貰えた人も多かったのではないか?。
台詞のチョイスとか妙に生々しい人間関係などザ・岡田磨里脚本って感じだったし、最後のオチの脱力感とか「これでいいの?」と思わなくもないがハッピーエンドで気持ちよく終わったので、これはこれで良し!。

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逆に残念だった作品筆頭は『覇穹 封神演義』。
仙界大戦をメインにすると言っていただけに、その部分は時間を掛けて描いていたのですが、女媧(CVがまさかの坂本真綾さん!!)を出しておきながら、仙界大戦後の展開を無かった事にした意味がサッパリ分からない。
こんな形で原作改変するなら女媧の存在そのものをカットした方がまだ整合性がとれただろう。
序盤のダイジェスト展開もそうだが、ファンにケンカを売り、初見の視聴者は置いてけぼりにする構成にただただ唖然とさせられました。
ホント誰の為のアニメ化だったのか?。

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多田くんは恋をしない』も意味深なタイトルの割りに思ったほどドラマ的な盛り上がりが無く拍子抜け。
最終回も許嫁がいるお姫様を「ちょっと待ったー」して周りがそれをアシストしてくれる悪い奴が1人もいない優しい世界で、それはそれでまぁ有りなんだろうけど、最初のキービジュアルからはもっと悲恋感というか『ロミオとジュリエット』的な身分違いの恋の物語をイメージしていたのだが…。

やたらと拘りを感じたカメラ周りの描写もその後は鳴かず飛ばずで、もっと物語の核心に作用するのかと思ったらそんな事もなく、カメラを趣味にしている者としてはガッカリ。
ぶっちゃけ途中で「にゃんこビック」のCVを大塚明夫さんにして1話丸々珍道中を繰り広げた話とかも必要だったのかね?。