スタッフ&キャスト
予告映像
感想
『ウォーキング・デッド』など海外では鉄板ネタとして盛んに作られるジャンルでありながら邦画界ではイマイチ人気の無い「ゾンビ物」に真っ向から挑んだ、花沢健吾さんの同名コミックを『GANTZ』『図書館戦争』を手掛けた佐藤信介監督×大泉洋主演で実写化した『アイアムアヒーロー』を鑑賞。
原作物では何かとケチが付く配役に関しては、少なくとも主人公の英雄は中の人のイメージを含めこれ以上ないキャスティングとなっており、多くの日本映画が避けて通るR-15な人体破壊描写や、韓国で撮影された高速道路やショッピングモールでのシークエンスもスケール感があって申し分ない。
日常が変質していく序盤の空気感や、動きを含めたZQNの気持ち悪さも強烈で、『未確認で進行形』がガッツリ映る「テレ東ネタ」には思わず大爆笑。
超深刻な状況であってもユーモアを忘れない『ゾンビランド』方式で前半はかなり面白いのだが、中盤以降は捻りの無いお約束展開にシフトしてしまい一気に失速。
某シンジくんばりにウジウジしていた英雄が立ち上がるまでの溜めの長さそれ自体は構わないのだが、その後のアクションが余りにもワンパターンで、同じような構図で同じような事を繰り返し延々と血と肉片が飛び散る映像を垂れ流すもんだから、流石の私も「早く終われや!」と思ってしまった。
お陰でカタルシスも感じられず、ここは原作を改変してでも1本の映画として盛り上がりを用意するべきだったのではないか?。
(例えば比呂美が覚醒して大暴れするとかね)
原作との兼ね合いで何も解決しないまま終わるラストも初見さんには厳しいだろうし、登場人物が少ない割に個々の背景が掘り下げられずエモーショナルな人間ドラマに発展しなかったのも残念でした。