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『アイアムアヒーロー』(2015年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

製作: 2015年 日本
時間: 127分 
原作: 沢健吾 
監督: 佐藤信 
脚本: 
野木亜紀子
音楽: Nima Fakhrara
出演: 大泉洋(鈴木英雄)
    有村架純(早狩比呂美)
    長澤まさみ(藪)
    吉沢悠(伊浦)
    岡田義徳(サンゴ)
    片瀬那奈(てっこ)
    片桐仁(中田コロリ)
    マキタスポーツ(松尾)
    塚地武雅(三谷)
    徳井優(アベサン)
    風間トオル(千倉)
 

あらすじ

漫画家アシスタントとしてパッとしない日々を送る、35歳の鈴木英雄(大泉洋)。
そんな彼の恋人が、人間を凶暴に変貌させるウイルスに感染して襲い掛かってくる。
慌てて趣味の射撃で所持する散弾銃を手に外に飛び出す英雄だが、街はZQNと呼ばれる感染者であふれていた…。
 

予告映像


感想

ウォーキング・デッド』など海外では鉄板ネタとして盛んに作られるジャンルでありながら邦画界ではイマイチ人気の無い「ゾンビ物」に真っ向から挑んだ、花沢健吾さんの同名コミックを『GANTZ』『図書館戦争』を手掛けた佐藤信介監督×大泉洋主演で実写化した『アイアムアヒーロー』を鑑賞。

原作物では何かとケチが付く配役に関しては、少なくとも主人公の英雄は中の人のイメージを含めこれ以上ないキャスティングとなっており、多くの日本映画が避けて通るR-15な人体破壊描写や、韓国で撮影された高速道路やショッピングモールでのシークエンスもスケール感があって申し分ない。

日常が変質していく序盤の空気感や、動きを含めたZQNの気持ち悪さも強烈で、『未確認で進行形』がガッツリ映る「テレ東ネタ」には思わず大爆笑。
しかし『シン・ゴジラ』ですら報道特番に切り替わらなかったのにZQNはゴジラより深刻ということかっ!!(笑)。

超深刻な状況であってもユーモアを忘れない『ゾンビランド』方式で前半はかなり面白いのだが、中盤以降は捻りの無いお約束展開にシフトしてしまい一気に失速。
某シンジくんばりにウジウジしていた英雄が立ち上がるまでの溜めの長さそれ自体は構わないのだが、その後のアクションが余りにもワンパターンで、同じような構図で同じような事を繰り返し延々と血と肉片が飛び散る映像を垂れ流すもんだから、流石の私も「早く終われや!」と思ってしまった。
お陰でカタルシスも感じられず、ここは原作を改変してでも1本の映画として盛り上がりを用意するべきだったのではないか?。
(例えば比呂美が覚醒して大暴れするとかね)

原作との兼ね合いで何も解決しないまま終わるラストも初見さんには厳しいだろうし、登場人物が少ない割に個々の背景が掘り下げられずエモーショナルな人間ドラマに発展しなかったのも残念でした。