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『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: Edge of Tomorrow
製作: 2014年 アメリ
時間: 113
原作: 桜坂洋
脚本: クリストファー・マッカリー ジェズ・バターワース ジョン=ヘンリー・バターワース
出演: トム・クルーズ(ウィリアム・ケイジ) 
    エミリー・ブラント(リタ・ヴラタスキ)
    ビル・パクストン(ファレウ軍曹)
    ブレンダン・グリーソン(ブリガム将軍) 
    ノア・テイラー(カーター博士)
    キック・ガリー(グリフ)
    ドラゴミール・ムルジッチ(クンツ)
    シャーロット・ライリー(ナンス)
    ジョナス・アームストロング(スキナー)
    フランツ・ドラメー(フォード)

あらすじ

 戦闘に対して逃げ腰な軍の広報担当官ウィリアム・ケイジ少佐は、戦闘経験が全くないにもかかわらず最前線に送り込まれてしまい、あえなく戦死。
しかし、死んだはずのケイジが意識を取り戻すと、周囲の時間は戦闘が始まる前に戻っていた。
再び戦死するとまた同じ時間に巻き戻り、不可解なタイムループから抜け出せなくなったケイジは、同様にタイムループの経験を持つ軍最強の女性兵士リタ・ヴラタスキに訓練を施され、次第に戦士として成長していく。
戦いと死を何度も繰り返し、経験を積んで戦闘技術を磨きあげていくケイジは、やがてギタイを滅ぼす方法の糸口をつかみはじめる。

予告映像

感想

ライトノベルとして発刊された桜坂洋さんの原作を『ボーン・アイデンティティー』『Mr.&Mrs.スミス』『ジャンパー』のダグ・リーマンと言わずと知れたトム・クルーズが大作クラスの製作費を投じて映像化したオール・ユー・ニード・イズ・キル』を観る。
 
原作では若い新兵の主人公を50歳オーバーのトム・クルーズが演じると聞いた時は「無理があるだろ…」と思いましたが、「ヘタレな広報官が戦場に行きたくないあまり上官を脅迫した結果、最前線に送られる」というアレンジが秀逸で大爆笑。
ところどころ改編されている物の原作のテイストを上手いこと活かしていて関心しました。
 
唯一気になったのは結末くらいで、主人公が「喪失」する事でゲーム的な設定をリアルな物語として成立させた原作に対し、実写版は全てが万事解決するご都合主義的なハッピーエンドになっており深みが無くなってしまっている。
 
スタッフが「戦争映画のつもりで作った」と言うノルマンディー上陸作戦をイメージした戦場シーンにしても『プライベート・ライアン』や『スターシップ・トゥルーパーズ』のような凄惨な描写は皆無で絶望感が乏しい。
その上、コメディ色も強められており良くも悪くもハリウッドナイズされた感が否めません。

原作を前提に考えるとラストの能天気さに開口してしまうのですが、小気味よい演出でテンポ良く話が進むためループも苦にならず、適度に挿入されるアクションを含め娯楽作としては申し分ない出来でした。