極彩色の色彩や時代考証を無視した世界観によって時代劇を一種のファンタジーとして成立させた異色作『GOEMON』が番組タイトルとは裏腹に邦画もイケてしまう「日曜洋画劇場」で地上波初放送されたので早速鑑賞。
そりゃハリウッドの大作映画に比べれば映像は破綻しまくりだし、合成は違和感バリバリ。
正直言えば観れた物じゃないシーンも多々ありました。
しかし
「出来ないからやらない」
のではなく
「出来る範囲で精一杯やる」
という作り手の姿勢に私はいたく感銘を受けたのです。
少なくともTVドラマで十分な物語を映画媒体で製作し金を搾取する昨今の邦画に比べればよっぽど健全でした。
地上波放送は時間の都合でカットされまくっている事は重々承知ですが、その事を差し引いたとしても脚本の出来がとにかく酷い!!。
最初から最後まで乱暴で慌ただしく起承転結なんてあったもんじゃない。
まるで出来の悪い総集編を見せされた気分です。
自由を求めた結果周りを不幸にして最後は自己犠牲で平和を訴える五右衛門の行動も、アメリカ人は喜びそうですが私はカッコイイとは思えませんでした。
「強くなれば大切な人守れる」とか言っておきながら自分は親友を含め殆どの人間を見殺にするとか何なの?って感じ。
最後の特攻だってただの独りよがりの自己陶酔にしか見えなかった。
それと最初に出て来た貧困街の子供は絶対伏線だと思ったのに完全スルーとかどういう事でしょう?。
五右衛門の意思を継ぐとかそういった描写にしないなら同じ境遇で登場させた意味が解りません。
映像に関しても紀里谷監督の理想が1人走りし、それに技術が全く追い付いていません。