旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集」レビュー

イメージ 2
 
昨日加持さん佐川急便さんが届けてくれた「EVA-STORE」からの厳封直送品(笑)。
大きさに関しては「序」の全記録全集を持っていたので想定の範囲内でしたが、5.4kgオーバーの重量は覚悟していたとはいえ軽く引きました(爆)。
 
イメージ 1
 
配送用の箱を開けるとこんな感じ。
早期予約特典の「持ち運び用不織布バッグ」とか、オリジナル特典の増尾昭一さん&前田真宏さん描き下ろしイラストを使用した「ジャンボブックマーク」とか、「箱根補完マップ(ローソンver.)」が付いて来ました。
 
それにしても、これを持ち運ぶ事ってあるのかね?(苦笑)。
 
イメージ 3
 
庵野秀明監修/カラー責任編集 公式決定本
 
■本書独占 庵野秀明総監督ロングインタビューを掲載
■ 脚本決定稿から完成作品に至るまで、制作過程を読み解くための資料性を重視
貞本義行描きおろし 綴込ポスター2点付
■ 初版限定別冊付録:『画コンテ集』(2冊)
■ 初版限定封入特典:劇場上映生フィルムコマ

総ページ数798ページ A4判ハードカバー2冊組

【内容紹介】
BOOK1 (362ページ)
□ フィルムストーリー/『2.22』バージョンより全カットの場面写真、全セリフを収録。
□ 音楽キューシート
□ 追加台本集/アナウンスやガヤ台詞もフォロー。

BOOK2 (436ページ)
□ 設定資料集/初出の新設定、3DCGモデル、ラフスケッチ、指示メモに至るまで、制作スタジオ発ならではの充実度。6名のデザイナーによるコメントも掲載。
デザイナーコメント:コヤマシゲト本田雄前田真宏渡部隆鬼頭莫宏あさりよしとお
□ 美術ボード集
□ スタッフインタビュー(取材・執筆:氷川竜介)
庵野秀明(総監督)、摩砂雪(監督)、鶴巻和哉(監督)、貞本義行(主・キャラクターデザイン)、山下いくと(主・メカニックデザイン)、榎戸洋司(脚本協力)、樋口真嗣(画コンテ・イメージボード)、中山勝一(副監督)、小松田大全(副監督)、鬼塚大輔・小林浩康(CGI監督)、鷺巣詩郎(音楽)、住谷真(録音)、轟木一騎(総監督助手・宣伝)
□ 宣伝素材集/劇場公開時のポスター、チラシ、その他媒体を網羅。
□ 脚本決定稿 ほか

初版限定別冊付録:画コンテ集
「アバン+A+Bパート」(232ページ)、「C+Dパート」(292ページ)の2冊。
「アバン+A+Bパート」はスタッフが実際に使用したものを原寸で複製。

書籍名:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 全記録全集』
仕様:A4判ハードカバー2冊組(ケース付き)/総ページ数798ページ/オールカラー
初版限定別冊付録「画コンテ集」:A4判2冊/総ページ数524ページ
価格:12,600円(税込)
発売予定日:2010年9月6日
発売元:株式会社カラー
販売元:株式会社グラウンドワークス:
 
イメージ 4
 
いやぁ~ホント凄いボリューム。
「全記録全集」の名は伊達じゃない!!。
書籍本体に加え、初版特典で台本まで付属。
こいつを読破するのは至難の業ですが、その間幸福な時間を過ごす事が出来そうです。
  
ちなみに初版特典の「劇場上映生フィルムコマ」は↓コチラ。
 
イメージ 5
 
まだ初号機に踏み付けられて先っちょが潰れたり、ゼル波さんのビームで吹き飛ばされる前の、在りし日のネルフ本部さんでした(笑)。
Blu-rayの時に「特化運用!!」のミサトさんを引き当てた反動か背景に降格…orz
まぁその中でも、どの作品が一目で解るから良い方だと考える様にします。
上を見たらきりがないしね。
 
イメージ 6
 
大きさ比較の為『破』のBlu-rayを一緒に置いてみたの図。
本書の中身を写すのはどうかとも思ったのですが、この本の凄さをより多くの人に知って頂きたくこういう構図にしました。
一応、公式で数ページ立ち読み可能なので気になる人は其方をチェック!!。
―――――――――――――――――――――――
さてさてレビューを書く為にはこのぶ厚い本を読まなければならないのですが、流石に読破する事も出来ず軽く読んだ感想です。
(まぁ軽くといっても2時間近く掛かりましたがねww)
 
正直言ってしまうと『序』の「全記録全集」には私自身物足りなさを感じたのですが、今回はそういった不満を感じさせない作りになっていて安心しました。
むしろ軽く引いてとまう程の密度たるやちょっとした図鑑みたいになっています。
 
キャラクター・エヴァ使徒・背景レイアウト・兵器関係・キーアイテム・小物・etc.
膨大な量の設定画がラフイラストや準備段階のデザインと共に収録されており、特に使徒のデザインバリエーションの多さには舌を巻く事請け合い。
完成版とは全く違う不気味な使徒も多数掲載されておりスタッフの思考錯誤が窺し知れます。
 
本編では解り辛かった「第3の使徒」「獣化第2形態」「疑似シン化第2形態」「Mark6」などの詳細なビジュアルもバッチリ収録されているので新たな発見もあります。
(第3の使徒の首元にエントリープラグが付いているのは解っていたのですが、仮設5号機のランスがロンギヌスの槍のコピー品だった事は今回初めて知りました)
デザインを担当されたクリエイター陣のコメントも合わせて載っているので、どういったコンセプトで生み出したのか?苦労した点は?といった裏話も聞けて非常に興味深い!!。
 
他にも『破』の展開に関する様々なアイデアが書かれた走り書きや絵コンテ等の資料も掲載されており、
中にはアスカが第9の使徒に取り込ませる際に複数の針で串刺しにされ顔の皮が剥ぎ取られ、それがカヲルの顔に変化し「君らしくないよ」と語り掛けるといったショッキングな物までありました。
どうやらこのシーンはアフレコまで行われたそうなのですが、結果的にカットされああいった形になった様です。
 
没になったコンテの中にはマリが加持に連れられエヴァパイロットとして正式に配属されるいった物まで存在し、アスカがマリの事を「先輩」と呼んでいたり。2人でに2号機に乗り込み使徒と戦うといったTV版の「アスカ来日」を彷彿とさせる展開まで想定されていた様です。
 
他にも第10の使徒に対しレイとマリが本当の意味で共同戦線を張ったり、
ダミーシステムで初号機を機動させようとするゲンドウに加持が「シンジくんでなければ動かない」と忠告したり、
第10の使徒セントラルドグマに到達した際に使徒封印の赤い支柱が展開しミサトが自爆コードを手動入力しようとするシーンまで確認する事が出来ました。
 
『序』のヒットを受けて庵野さんが脚本を大幅に書き直したとは聞いていましたが、『破』の脚本は現存するだけで80以上のバージョンが存在するらしく、その過程で様々なアイデアが生まれては消え最終的にあの形になったそうです。
 
そういった事実を知ると
「完成した『破』はどれだけの可能性の中から生まれて来たのだろう?」
と改めて感じてしまいます。
 
エヴァのライブ感はTVシリーズの頃からですが本当に刻一刻とまるで生き物の様に変化していった事が伝わって来て感動しました。
そんな存在したかもしれない『破』に様々な断片から想いを馳せるのも、この本の楽しみ方の1つだと私は思います。
 
まだまだ語りたい事は山程ありますが、とにかくこの「全記録全集」は『破』を味わい尽したい人は絶対に手に入れておくべきアイテムであり、その為に12600円払う価値は十分あります!!。
資料的価値は勿論、スタッフの情熱をダイレクトに感じアニメを作る楽しさまで知る事が出来る本当に素晴らしいアイテムです!!。