旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

『クローバーフィールド』 ★★★☆☆

イメージ 1

スタッフ&キャスト

原題 CLOVERFIELD
製作 2008年 アメリ
時間 85分
監督 マット・リーヴス
脚本 ドリュー・ゴダード
音楽
出演 マイケル・スタール=デヴィッド(ロブ)
マイク・ヴォーゲル(ジェイソン)
オデット・ユーストマン(ベス)
ジェシカ・ルーカス(リリー)
ジーキャプランマレーナ
T・J・ミラー(ハッド)
ベン・フェルドマン(-)
ライザ・ラピラ(-)
クリス・マルケイ(-)

あらすじ

NYに住むロブは仕事の為この街を離れる事が決まり、それを知った友人達は送別会を兼ねたサプライズ・パーティーを開く。
夜が更けるにつれ盛り上がるパーティーだったが突如として巨大な揺れが会場を襲う。
状況も解らないまま外に飛び出した彼等が目にしたものは"何か"によって無残に破壊されたNYの街並だった…。

感想

『ブレアウィッチ・プロジェクト』+『GODZILLA』+2001年9月11日にアメリカ人が味わった悪夢を組み込んで生まれたモンスター・パニック映画。
予想していたよりも手の込んだ造りで、正直もっとチープな作品だと思ってました。
全編主要人物が撮影したホームビデオの映像という形で展開し、画面は酷く揺れコレを劇場の大画面で凝視して観たら高確率で酔っていただろう。
幸いパソコン画面では酔いませんでしたよ(笑)。

作品の性質故、冒頭にカメラの発見場所が「かつて"セントラルパーク"と呼ばれた公園」とテロップが表示され、主人公達が"助からなかった事"と"物語の終着点"を先にばらしてしまう。
これはこの作品がラストのどんでん返し等の"結果"が目的ではなく、其処に辿り着くまでの"過程"が重要であり目玉だと言う事なのだろう。
普通の映画の様に描けない登場人物達の人となりを説明する為に前半数十分をサプライズ・パーティーのシーンに割き、作品の欠点を利点に生かした演出にも感心した。

楽しいパーティーが一転し主人公達は大混乱のNYに放り出される。
この後は最後まで怒涛の勢いで展開。
ブレまくる映像に巧みに合成されたCGは実写と殆ど区別出来ず、別の場所で撮影され多くのシーンをワンカット撮影の様に観せる編集も凄かった。
大味に観えるが注ぎ込まれた技術と拘りは半端じゃない!!。

さてモンスター映画の肝たるクリーチャーデザインですが、J・J・エイブラムスの「日本の『ゴジラ』の様な国民的な怪獣映画を作りたい」と言う言葉とは裏腹にあのデザインはエグ過ぎ(笑)。
まぁ~可愛げの無い軟体生物のエイリアンの様な姿にはちょっと引いた。
これだけは御国柄なのでしょうね。
デザインはアレですが、企画のスタート地点が『ゴジラ』だけにオマージュは所々に含まれ、冒頭の足音や伊福部昭さんを意識したED曲等には日本人として嬉しくなってしまいました。

思えば『ゴジラ』が日本人の"核"への恐怖と畏怖から生まれたとすれば、今作はアメリカ人が9.11で身近に感じたテロへの恐怖と畏怖から生まれた作品なのでしょう。
日常から一瞬で非日常に巻き込まれる感じは『ゴジラ』と言うよりは『ガメラ3』の様な怪獣災害を描いた作品として観た方がしっくり来ます。

個人的に今時大真面目に怪獣映画を作ってくれたスタッフの姿勢と努力に感謝!!。