スタッフ&キャスト
出演: アーロン・テイラー=ジョンソン(フォード・ブロディ)
渡辺謙(芹沢猪四郎博士)
エリザベス・オルセン(エル・ブロディ)
ジュリエット・ビノシュ(サンドラ・ブロディ)
サリー・ホーキンス(ヴィヴィアン・グレアム)
カーソン・ボルデ(サム・ブロディ)
デヴィッド・ストラザーン(ウィリアム・ステンツ司令長官)
ブライアン・クランストン(ジョー・ブロディ)
あらすじ
1999年。フィリピンの炭鉱で巨大生物の骨と、それに寄生する繭らしき物体が発見される。
この事故によって妻のサンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を失った核物理学者のジョー(ブライアン・クランストン)は単身事件の真相を探り始める…。
時は流れ2014年。
ジョーの息子であるフォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は母の死を乗り越え海兵隊員として立派に成長していた。
そんなある日、父のジョーが日本の原発汚染区域に無断侵入し逮捕されたとの知らせを受ける。
陰謀説を唱える父に辟易していたフォードだが、現地に赴くと汚染区域内で稼動する謎の施設を発見。
そこで巨大生物の誕生を目にするのだった…。
予告映像
感想
恥ずべき愚作『ゴジラ FINAL WARS』から10年。
本来であれば3.11を経験した日本人が描かなければいけない要素を内包した新生ゴジラがハリウッドで復活!!。
当初は初代ゴジラのように人類との戦いがメインになると思われていましたが、蓋を開けてみれば敵怪獣が登場する『平成VSシリーズ』に近い作風というサプライズ。
そんな訳で物語の滑り出しはすこぶる良好。
悲劇的な別れを描くドラマパートから、怪獣がなかなか姿を現さない焦らし具合など基本に忠実に作られています。
日本の描写には相変わらず違和感があるのですが、どこの国の人間でも外国を描けば大かれ少なかれ変になるので、こればっかりは仕方ない。
むしろ目につくのは中盤以降の矢継ぎ早な展開で、脚本家がころころ変わった影響がモロに出ていて落ち着かない。
主人公に関しても行く先々で怪獣と遭遇し、その都度所属する部隊が自分を残し全滅する『08小隊』のサンダース軍曹顔負けの死神っぷり。
その癖、自分は大きな傷も負わずコロっとしているので途中から笑えてくる。
米軍も怪獣を捕捉しておきながら避難命令を出すのが遅れ被害を防げなかったり、一般人を誤射しそうになるなど恐ろしいほどの無能っぷりときたもんだ。
ゴジラどーこー以前にツッコミ所のオンパレード。
変な話、こういった部分はエメリッヒ版のが確りしてた気がする。
肝心要の怪獣描写は『平成ガメラシリーズ』と同じく人間目線から描いており、見上げるカットが多く迫力があります。
ただ見せ方という点ではストーリーと同じく矢継ぎ早で。もう少し緩急をつけて欲しかったというのが正直なところ。
ゴジラとMUTOの初戦がバッサリカットされニュース映像だけで処理されるなど「製作費が足りなかったのでは?」と勘ぐってしまうような場面もチラホラ。
しかし、お約束の"あの技"が炸裂するなど要点はきっちり押さえていたので及第点です。
「破壊」と「再生」を象徴したラストシーンは印象的ですが、あの状況で彼等がゴジラを好意的に受け入れるのはちょっと違和感がありますね。
まぁこの辺りは本家のシリーズにも言える事なんですが…(苦笑)。
ところどころ難はある物の原作に対するリスペクトが感じられ、何よりこれだけの製作費を掛けてゴジラを再び大暴れさせてくれた事にただただ感謝。
日本の配給会社は「怖いゴジラ」としてPRしていますが、むしろヒロイックでドラマパートを除けばお子様も大喜びだと思うので、夏休みを利用して親子で観に行くというのも良いかもしれません。
なにやら該当シーンがカットされたという噂を耳にしたのですが、そんなに酷い演技だったのでしょうか?。
楽しみにしていただけに残念です。