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『サイレントヒル: リベレーション3D』(2012年) -☆☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: SILENT HILL: REVELATION 3D
製作: 2012年  フランス/アメリカ/カナダ
時間: 95分
監督:マイケル・J・バセット  
脚本:マイケル・J・バセット
音楽:山岡晃ジェフ・ダナ 
出演:アデレイド・クレメンス(ヘザー・メイソン/アレッサ)
   キット・ハリントン(ヴィンセント・クーパー)
   ショーン・ビーン(ハリー・メイソン)
   キャリー=アン・モス(クローディア・ウルフ)
   ラダ・ミッチェル(ローズ・ダシルヴァ)
   デボラ・カーラ・アンガー(ダリア・ギレスピー)
   マーティン・ドノヴァン(ダグラス・カートランド)
   マルコム・マクダウェル(レナード・ウルフ)
   ロベルト・カンパネラ(レッド・ピラミッド)
   ピーター・アウターブリッジ(トラヴィス
   エリン・ピット(若きアレッサ)

あらすじ

父親ハリー(ショーン・ビーン)と共に町から町に転々と移り住む生活を送るヘザー(アデレイド・クレメンス)はサイレントヒルという見知らぬ街で恐ろしいモンスターたちに襲われる悪夢に悩まされていた。
やがてその悪夢が現実を侵食し始めた頃、ハリーが何者かによって拉致されてしまう。
命を救いたければサイレントヒルまで来るよう告げられたヘザーは異形たちが待ち受ける因縁の地に赴くのだが、そこで自らの出生の秘密を知る事となる…。

予告映像

感想

クリストフ・ガンズ監督が映像化し原作ファンをも唸らせたコナミの同名ゲーム『サイレントヒル』の続編。
タイトルに「3D」などと付いている時点で駄作臭がぷんぷん匂って来ますが、どこから連れて来たか解らない実績のない素人監督に任せた結果、とんでもない愚作が出来あがってしまいました。
 
前回の映画は原作に逆輸入されるほど秀逸な演出で独特の雰囲気を見事に再現していましたが、今回は大きな音を立てたり突然クリーチャーを出現させるなどして観客を驚かす無粋な演出が多く作品の質が著しく低下しています。
中途半端に原作の要素を盛り込んだ描写や最低の脚本など実写版『バイオハザード』と同じダメっぷりで泣けてくる。
 
サイレントヒル3』のストーリー&キャラクターに『ホームカミング』を混ぜ込み、随所にロビーくんを登場させ、クライマックスではみんな大好き△様(レッドピラミッドシング)を大活躍させるなどファンに媚びまくっていますが、そんな事したってこの出来の悪さは誤魔化せません。
 
肝心の父と娘のドラマも盛り上がらなければ、ロミオとジュリエット的な設定のロマンスも機能しないまま終わってしまい中身が恐ろしいまでにスッカスカ。
原作人気に頼り切った作りをしているのは誰の目にも明らかでオリジナリティなど皆無。
最後に「あの人」が登場して続編を匂わせる終わり方をしましたが、このスタッフでは二度と作って欲しくありません。

そんな本作に評価出来る場所があるとすれば劇場公開時の素人吹き替えをソフト版ではプロに差し替えたことくらいです。
話題性で客を呼ぶだけならこうするのが筋であり他社も見習ってほしいと強く思います。