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あらすじ
予告映像
感想
清代末期に実在した武術家・霍元甲を題材にしたジェット・リー製作・主演の『スピリット』が午後ローで放送されたので鑑賞。
実在の人物をモチーフにしつつも大部分が創作らしいので故人の名誉の為にもその点は留意する必要がある。
実在の人物をモチーフにしつつも大部分が創作らしいので故人の名誉の為にもその点は留意する必要がある。
前半部分の主人公はかなり、というか相当嫌な奴で、
女癖こそ悪くはないが、自身の強さに慢心し、酒におぼれ、金を湯水の如く使う。
結果手痛いしっぺ返しを喰らい大切な物を全て失ってしまう教訓めいた展開。
そうした経験を経て心を入れ替えた主人公は、自らの志を人々に伝え中国人の心を豊かにしようと新たな流派を立ち上げ、その普及の為に異種格闘技戦に参加するというのが本作の流れだ。
言わずもがな中国映画の日本人というのは酷い扱いをされる事が多いのだが、本作は互いを認め合い正々堂々戦う理解者として登場しているのが興味深い。
原田眞人演じるゲスな役人も登場するのだが、それをきちんと田中安野が「日本人の恥だ!」と断罪するあたり、かなり華を持たせた印象で特に嫌悪感を抱く事はなかった。
むしろスポーツマンシップに則り高潔であろうとする2人の格闘家が拳を通して語り合う熱い展開に心打たれる。
作中で調和や共生を重んじ、弟子に憎しみに呑まれるなと説いた霍元甲。
しかし今の中国を見ていると彼の想いが芽吹く事はなかったようだ。
それだけが本当に残念である。