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『バトルシップ』(2012年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: BATTLESHIP
製作: 2012年 アメリ
時間: 130分
監督: ピーター・バーグ 
脚本: ジョン・ホーバー 、エリック・ホーバー
音楽: スティーヴ・ジャブロンスキー 
出演: テイラー・キッチュ(アレックス・ホッパー)
    アレキサンダー・スカルスガルド(ストーン・ホッパー)
    リアーナ(レイクス)
    ブルックリン・デッカー(サマンサ)
    浅野忠信(ナガタ)
    リーアム・ニーソン(シェーン提督)
    ピーター・マクニコル(-)
    ハミッシュ・リンクレイター(-)
    アダム・ゴドリー(-)
    グレゴリー・D・ガドソン(-)
 

あらすじ

各国の護衛艦がハワイに集り大規模な軍事演習を行う「環太平洋合同演習(RIMPAC)」の最中、海上に謎の物体が出現。
アメリカ海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)が乗船する「USSジョン・ポール・ジョーンズ」、彼の兄ストーン(ストーン・ホッパー)が艦長を務める「USSサンプソン」、そしてアレックスがライバル視する日本人のナガタ(浅野忠信)が指揮を執る「護衛艦みょうこう」の3隻が現場に急行し調査を開始するのだが突如としてその物体は変形、威嚇射撃に反応し攻撃を仕掛けてくる…。

予告映像

感想

『キングダム-見えざる敵-』で憎しみがぶつかり合うテロとの戦いをリアルに描き、『ハンコック』でアメコミ原作に頼らない破天荒なニューヒーローを誕生させたピーター・バーグ監督の最新作。
原作はかの有名な「軍艦ゲーム」(battleship)でありますが、こんな時代に国家間の艦隊戦なんて状況を作り出すのも難しく手っ取り早い相手として宇宙人さんの登場と相成りました。
 
しかしこの宇宙人、造形やその科学力に相応しくない地味な兵器など描写はかなり適当なのでそこは目を瞑りましょう。
地球を植民地化しようというのに敵意がなければ相手が戦艦であっても攻撃しなかったり、倒して下さいと言わんばかりの都合のよい弱点だったり、知的生命体にしてはドジっ子過ぎる間の抜けた行動の数々なんかも御愛嬌。
『バトルロサンゼルス』もそうでしたが今時の宇宙人は波風立てずに戦争を描く時の便利な仮想敵であり、戦意高揚の為の噛ませ犬でしかありませんからこんなもんです。
 
物語の主人公は身勝手で傲慢なアメリカ海兵・アレックス、そして勝利の為にはラフプレーすら厭わない日本の自衛官・ナガタ。
犬猿の仲である2人が因縁浅からぬハワイの地で宇宙からの侵略者に対し力を合わせ戦いを挑み、その中で互いの能力を認め信頼を深めて行く。
言わずもがな、この関係性が第二次世界大戦を経て今日に至る日本と米国の関係を表していることは言うまでもありません。
 
マイティ・ソー』ではサブキャラに甘んじた浅野忠信くんが真の意味で準主役な活躍を見せ、起死回生の打開策を提示したことでテイラーキッチュ演じるアレックスから艦の指揮を任される驚きの展開もあり。
「ユニバーサル映画100周年記念作品」という触れ込みですが内容的には「日米友好○○周年記念作品」と言った方が相応しいのではないでしょうか?。

戦闘シーンに関してはリアルというよりはケレンミを利かせ良い意味で派手に描かれています。
錨を海に落として急ブレーキ&急回頭するトンデモシーンも、その馬鹿さ加減が逆に良い!!。
宇宙人のジャミングで長距離レーダーやミサイルの誘導装置などを使えなくした事で互いを目視出来る距離での戦闘に説得力を持たせ、「軍艦ゲーム」の「軍艦ゲーム」たる構図の再現にも見事成功。
荒唐無稽過ぎてミリオタの方には辛いと思いますが、アニメ的なハッタリが効いており個人的にはツボに嵌りました。
 
ただ件の宇宙人とアフガニスタンで両足を失った軍人の格闘シーンは完全にカートゥーンな乗りで失笑。
殴られて歯が飛ぶとか完全にギャグじゃないですか?。
艦内での戦闘もそうですが白兵戦には総じて魅力も必要性も感じませんでした。
 
しかしまぁ、チャラ男な主人公が海の男として一人前になる成長物語に国籍を超えた友情、更に努力と根性といった汗臭いテイストを交え、化石とまで言われたロートル艦を叩き起こして挑む最終決戦への流れなど無駄に熱くて良かったですわ。
どう考えたって詰め込み過ぎかつ、ご都合主義だけど本来のハリウッド映画ってこんなもんでしょ?。
地球を命運を賭けた戦いを描いておきながら最後は主人公の色恋沙汰に話を戻して「ちゃんちゃん」てな軽い感じで終わるのも能天気な米国産娯楽映画らしくて懐かしい気分になりました。
私こういの嫌いじゃない。
 
あと本編とは関係ないのですがリアーナの吹き替えを担当した土屋アンナ嬢が普通に上手くて驚きました。
むしろ浅野忠信くんの自分吹き替えの方がたどたどしく感じるくらい堂に入っており聞きもせず批判していた自分を反省した次第です。
他もこれくらいちゃんとやれる人なら良いんですけどねぇ…。