ウチの床下には小人以外なら大体住んでいるotaku4160です。
「ひと借り行っとく?」
ってな感じで家主に知られる事無く様々な生活用品を拝借し、両親と共にひっそりと「借りぐらし」をしている小人の少女と、病弱な人間の少年の物語。
率直な感想としては、小人が主人公だけに実にこじんまりとしたお話だったなと…。
プロット的に近しい『となりのトトロ』みたいな広がりや盛り上がりも無く最後まで淡々と一本道。
しかしアニメーションの本質である躍動感ある絵作りという点で前半部分は秀逸。
小人たちのサイズに応じて水滴がちゃんと大きかったり、クイやホチキスや定規などを足場にして家中に張り巡らされた通路を探検するパートはワクワクしました。
こういう身体性を強く感じさせるアニメーションというのは観ていて非常に惹きつけられます。
ただそれらの良い部分が後半になり人間の少年視点が主体になると一気に喪失。
小人の世界はあんなに魅力的なんだからもっと生かせば良いのに、どうして人間側の物語をあんなに強く出してしまったのだろうか?。
この作品って結局「見つかったから引っ越した」ってだけの話だよね?。
小人と人間との交流も表面的で軽いし、途中出て来たスピラーとかもアリエッティに気がある素振り見せときながらスルーだったし、もっとロマンスとか冒険活劇的な要素を入れても良かった気がする。
原作を尊重し改変しなかったのかもしれないが、これでは何処にでもある小話でしかないよ。
別に悪い作品ではないけど、この程度の内容で最終興収92.5億円というのだからジブリ信仰恐るべしだ。
期待に答えられない物作ったらお客さんて自然と離れてく物だけどジブリは例外だよね。
あと『ポニョ』の時は聞くに耐えなかったタレントキャストですが本作は概ね満足です。