旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

なんで押井守さんのアニメ批判がYahooトップなん?。

 
などと言う火に油を注ぐような見出しの記事がトップページに鎮座しておりますが、正直この手の批判は押井さんに限らず随分前から言われていた事なので「何を今更」って感じ。
 
この発言に対し「お前がオワコン」とか「信者向けの作品しかつくらない癖に!!」とか的外れな反論しかしてない低レベルな奴等が痛くて堪らんね。
だって逆ギレしたらそうだって認めているようなもんじゃん。
 
そもそもこういった批判は誰に言われずともオタクなら共通認識で解る事ではないのかね?。
感情論とか抜きにして冷静に考えれば押井さんじゃなくても至る結論だろうに…。
 
今のアニメ業界で作られる作品のほぼ全てが一部のマニアにだけ媚びる作りなのは誰の目にも明らか。
ラノベ・マンガの人気原作を字面通り映像に丸写し、それを1クールでサクッとやって作り手も視聴者も消費する。
地上波では「消し」を入れ高いBDを買わせようとする作品なんかは論外だ。
そんな中に数年経って観返せるor観返したいと思える作品が果たしてどれだけあるのか?。
 
押井さんの
「僕の見る限り現在のアニメのほとんどはオタクの消費財と化し、コピーのコピーのコピーで『表現』の体をなしていない」
という一文が今の業界の本質を見事に言い表している。
この中で「僕の見る限り」とか「ほとんどは」という前置きをしている部分が押井さんの優しさでしょう。
これが富野さんだったら全部ひっくるめての否定になるからさ。
いやマジで!!(苦笑)。
 
今の時代完全に新しい物なんて作れないし、押井さん自身さまざまな作品からの引用で物語を構築して来た。
記事の中でも触れられている「オタクがアニメを作る様になった最初の世代」と言われる庵野さんの『エヴァ』だって言ってしまえば『ウルトラマン』など往年の特撮や『デビルマン』といった過去の名作の継ぎ接ぎである。
 
私が思うに問題なのは作品に作り手の熱意が籠められていない事なのではないか?。
コピーだって、より良い物にしたいという「愛」さえあればオリジナルに匹敵する物になる筈だ。
しかし最近は「ただノルマをこなしているだけの作品」ばかり。
そういった物ですら良しとし浪費する我々視聴者がその流れを加速させ、その結果業界全体が悪循環に陥っている事は確か。
 
個人的に押井さんや富野御前や宮崎駿さんなど業界批判をする大御所も、他人事の様に文句ばかり言ってないで若手の育成や作品という形で現状を打開する指針を見せて頂きたい。
口だけなら「最近の若者は…」と否定するジジババと同じだからね。
 
そういう意味では『新劇場版』で若い世代を積極的に起用しながらアニメ業界の体制に問題提起している庵野さんは凄いですよ。
自腹で映画作って現場に還元してるんだからさ。