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「機動戦士ガンダムUC episode2 赤い彗星」 レビュー。

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episode2赤い彗星

 
■脚本 むとうやすゆき ■コンテ 村田和也 古橋一浩 ■演出 村田和也
 
ラプラスの箱」を巡る戦火の中で父カーディアス・ビストからユニコーンガンダムを託されたバナージ・リンクスは初陣で「袖付き」のMSクシャトリヤを退ける事に成功する。
 
戦闘終了後ロンド・ベル所属のネェル・アーガマに収容され尋問を受けるバナージ。
だがその最中、「赤い彗星の再来」と呼ばれるフルフロンタルの奇襲を受け事態は一変。
瞬く間に艦の武装やMS部隊を排除され劣勢に立たされた
ロンド・ベルは苦肉の策としてドズル・ザビの娘であるオードリーを盾にフロンタルとの交渉を図る。
 
しかし子共を人質にする大人達のやり方に反発したバナージは単身ガンダムで出撃。
ルフロンタルの駆るシナンジュに戦いを挑むのだった…。
 
言うまでも無くepisode1の直後からスタートするepisode2。
8ヵ月近く待たされたユニコーンシナンジュの戦闘が観れるってだけで私は感無量です(笑)。
 
初っ端から無重力という特性を生かし前後左右・縦横無尽に動き回るMS戦は圧巻!!。
特に「あおり」や「回り込み」を多用したダイナミックなカメラワークは鳥肌物です。 
機体の動き同様コックピット内部もグリグリ動いており、コチラの躍動感も半端じゃない!!。
全方位モニターに表示される計器類もOVAならではの情報密度で作り込まれており本当に舌を巻きます。
これでこそB何度も観返す価値があるという物!!。
 
NT-Dシステムが発動しサイコフレームが赤く輝くユニコーンの美しさも一見の価値ありで、その異常な性能を鋭角的な軌跡で表現する演出も素晴らしい。
かすめただけで親衛隊のギラ・ズールを撃破するという出鱈目なビームマグナムの威力もよく出ており、一発撃つ度に弾装がイジェクトされる描写もミリオタ的に燃え!!。
 
そして今回が初登場となるシナンジュデブリを踏み台にした高速移動まで確り描かれており素晴らしいの一言。
更にデブリを盾やデコイとしても活用しネェル・アーガマのMS部隊を翻弄する姿は正にエース!!!!。
 背中の燃料タンク?をパージし撃墜したと誤認させる等、機体性能の高さと共にパイロットとしての腕前そして経験値の高さを物語る描写を入れてくれた事にも感動しました。
 
そんな主役機同士が激突する中盤の戦闘シーンはepisode2のハイライトと言っても過言ではないでしょう。
流線的なシナンジュとデストロイモードにより鋭角的な動きを見せるユニコーンが宇宙に刻む軌跡が格好良過ぎる!!。
 
人物描写も相変わらず緻密で、会話内容を意図的に流す為ダグザさんが部下と交わすアイコンタクトや、差し伸べられたバナージの手を寸前の所で避けるオードリーの仕草など、キャラクターが確り演技をしているからこそドラマとしても非常に見応えのある物に仕上がっています。
何気にオードリーをナンパする?リディをジト目で見ているミヒロとミコットの表情や、ギルボア家の食卓で動き回る末っ子をマリーダがむんずと掴んで母親に渡すシーンなどコメディ要素もあり。
 
存在感という点ではこの話数シャアにしか見えないし聞こえない(笑)フル・フロンタルの独壇場なのですが、個人的にはフロンタルに陶酔するアンジェロの危うさにもゾクゾクさせられました。
「大佐の戦場を汚してしまった」と言う台詞を口走る辺りかなり危ない雰囲気。
立ち場は違いますが狂気を孕んだ妖艶な美少年という点ではディランドゥを思い出します。
 
あと余り賢くないネェル・アーガマ艦長のうだつの上がらなさが泣ける(笑)。
「軍人としてどうなのよ?」って感じですが人間味という意味ではこの人が一番じゃないかな?。
 
政治的な駆け引きや大人と子共の違い。
家柄に縛られる者と変わろうとする者。
ジオンと連邦。
殺す事と生きる事。
様々な考えや価値観がぶつかり合い交わってまた離れて行く…。
人間関係が比較的シンプルに描かれていたepisode1に比べepisode2では人対人のドラマが非常に厚みを増していた様に感じます。
 
主人公が先程まで戦っていた相手と対話し互いの立場を知るという展開も往年のガンダムシリーズを彷彿とさせ、捕虜として捕えられたバナージがマリーダと教会で敵見方としてではなく同じ人間として語らうシーンは非常に印象的でした。
ここでクリャトリヤのパイロットである事を明かさないのが後の伏線という訳ですね。
 
イベント上映ではエンディング後にepisode3「ラプラスの亡霊」の予告映像と共に「2011年3月5日START」との告知も出され俄然期待が高まります。
episode2に比べ、かなりペースアップしていて嬉しいなぁ~。
これからも変に間を開けずコンスタントにリリースしてくれる事を願います!!。