旧いまここにあるもの

Yahoo!ブログ時代のアーカイブ。記事内のリンクが上手く機能しなかったり、タイトルが文字化けしたり、画像のアスペクト比が可笑しいのはダメダメな移行機能の所為。新ブログはこちら→https://imakokoniarumono.hatenablog.com/

劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower」(2017年) -★★★☆☆-

イメージ 1

製作: 2017年 日本
時間: 120分
監督: 須藤友徳
脚本: 桧山彬
音楽: 梶浦由記
声の出演:
    杉山紀彰衛宮士郎
    下屋則子間桐桜
    神谷浩史間桐慎二
    川澄綾子(セイバー)
    植田佳奈遠坂凛
    伊藤美紀藤村大河
    中田譲治言峰綺礼
    津嘉山正種(間桐臓硯)
    水沢史絵美綴綾子
    真殿光昭柳洞一成
    小山力也衛宮切嗣
    神奈延年(ランサー)
    浅川悠(ライダー)
    三木眞一郎(アサシン)
    田中敦子(キャスター)
    諏訪部順一(アーチャー)
    てらそままさき(葛木宗一郎
    門脇舞以イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)

あらすじ

あらゆる願いをかなえる「聖杯」をめぐり、魔術師(マスター)と英霊(サーヴァント)が争いを繰り広げた「聖杯戦争」から10年。冬木市で再び聖杯戦争が始まる。
前回の聖杯戦争を戦った衛宮切嗣の養子・衛宮士郎は、切嗣の遺志を継いで戦うことを決意し、そんな士郎のそばには、彼を慕う少女・間桐桜がいた。
聖杯戦争が始まったことで冬木市内には不穏な空気が流れ、士郎は桜を自宅に招き入れるのだが…
 

予告映像

感想

ファン待望の桜ルートこと「Heaven's Feel」を信頼と実績のユーフォ―テーブルが初映像化。
原作ゲームの中で最後に現れるルートであり、セイバールートと凛ルートを踏まえた上で展開する為、最低限TVシリーズの「Unlimited Blade Works」を予習して知識を補填しておかないと辛いものがある。

構成的にも三部作の一作目であり、物語が本格的に動き出す前に終わってしまうので、これ単体での満足度は決して高く無いという点も留意しておきたい。
UBW」と重複する箇所はダイジェストで処理するなど尺を捻出する工夫も見られるが、その上で2時間みっちり使っても展開が勇み足になっているのも気になると言えば気になるところか?
 
しかし、それを補って余りある原作愛溢れる丁寧な作りが素晴らしく、後年執筆された「Fate/Zero」の要素なども積極的に取り入れ+αの魅力を生むアレンジの数々はファンであればあるほどニヤリとさせられること請け合い。
美しい冬木市の夜景や雪景色をバックに展開する怒濤の戦闘シーンも見応え抜群なら、物語のキーパーソンである桜と彼女を気に掛ける士郎の心情に重きを置いた構成、特にラストシーンで雪が降りしきる中、失意の士郎を迎える桜の健気さを雪に残った足跡や、指先のしもやけで表現する演出には舌を巻く。

作品への思い入れが強ければ強いほど深く楽しむ事ができる反面、ここからFateシリーズに足を踏み入れようという層には敷居が高く、そういう人は素直に劇中時間軸通りアニメシリーズを追っていくことを強くお勧めする。
セイバーオルタが顕現する第二章が今から楽しみだ。