公開当時ネット上で色々言われてましたが確かにこれは劇場作品として3部作もやる必然性を感じませんな。
問題は掻い摘んで描けば総尺2時間で収まりそうな内容をテレビシリーズなど比ではないドぎついシャフト演出で引き延ばしている点で、
例えば「血塗れの美女(キスショット)が倒れてる」→「現実離れした光景に思わず逃げだす」→「だが見捨てられないので助けに戻る」。
たったこれだけの出来事を無駄な作画リソースを裂き長々と描写する作風は最初の内は良いのですが物語が進むにつれ段々と苦痛になってきます。
劇場版だから出来る実験的な演出と言えば聞こえは良いですがそれにも限度というものがあり、羽川さんの乳を揉む揉まないの件は阿良々木くんのヘタレっぷりを表現するにしても長すぎる!!。
忍ちゃん改めキスショットの七変化や、阿良々木くんの独善っぷり。
どうしてガハラさんに負けたか分からない羽川さんのヒロイン力(りょく)など、タイトルに偽りなしな「傷」の「物語」は純粋に面白く、首や腕がポンポンふっ飛ぶバイオレンスを通り越してギャグまっしぐらな規制無しのバトルシーンなども見応えがあったのですが、一見さんお断りなファンムービーでありながら、そのファンですら首を捻りたくなる余計な演出の数々には首を捻らざるを得ませんでした。