あらすじ
19世紀末、かつてヴィクター・フランケンシュタイン博士が生み出した、死体に新たな生命を与えて「屍者」として動かす技術が世界に広まり、いまや屍者は労働力や兵力として世界を支えていた。
そこで極秘任務を与えられたワトソンは、フランケンシュタイン博士が残した、生者のように意思を持ち言葉を話す屍者=ザ・ワンを生み出す技術が記された「ヴィクターの手記」を求めて旅に出る。
予告映像
感想
将来を嘱望されながら2009年に若くしてこの世を去った伊藤計劃さんの小説をノイタミナのプロデュースチームが映像化した「Project Itoh」の一篇『屍者の帝国』が紆余曲折の末に完成した『虐殺器官』の公開に合わせて地上波放送されたので録画鑑賞。
禁忌とされた「屍者の蘇生」が兵士や労働力を賄う技術として広く普及し市民権を得た19世紀末のロンドンを舞台に、死んだ親友との再会を切望しその肉体を蘇生し魂を取り戻す秘術を探し求める主人公が人類の存亡を掛けた巨大な陰謀に巻き込まれていきます。
ロードムービーから徐々に世界を救う冒険活劇へシフトするストーリーもさる事ながら、蘇生された屍者が生者の代わりに戦地に送られ人間の奴隷として従事する姿はロボットを題材にした近未来SFを観ているようで興味深い。