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『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』(2016年) -★★★★☆-

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製作: 2016年 日本
時間: 115分
監督: 野末武志
脚本: 長谷川隆
音楽: ジョン・グレアム
声の出演:
    綾野剛(ニックス・ウリック)
    忽那汐里(ルナフレーナ・ノックス・フルーレ)
    磯部勉(レギス・ルシス・チェラム)
    山寺宏一(ドラットー)
    かぬか光明(リベルト・オスティウム)
    関智一(ルーチェ・ラザロ)
    藤村歩(クロウ・アルティウス)
    飯塚昭三(イドラ・エルダーキャプト)
    銀河万丈(クレイラス・アミシティア)
    藤原啓治(アーデン・イズニア)
    中村悠一(レイヴス・ノックス・フルーレ)
    小松史法(トレッド・フュリア)
    高木渉(ペルナ・カーラ)

あらすじ

神聖な「クリスタル」を擁する魔法国家ルシスと、そのクリスタルを狙うニフルハイム帝国の争いが続く世界。
ニックス・ウリックらルシス国王レギス・ルシス・チェラム直属の特殊部隊「王の剣」は、ニフルハイム帝国軍の侵攻を水際で食い止める戦いに従事していた。
しかし、敵の軍事力を前にレギス国王は停戦と引き換えに、王子ノクティスの政略結婚、そして首都インソムニア以外の領地を放棄する苦渋の決断を下す。
その決定を称賛する者、反感を抱く者、様々な思惑が渦巻く中、調停式当日を迎えるのだが…。

予告映像

感想

更なるクオリティアップという名目で発売が延期された『FFXV』の前日譚を描いたフルCGアニメーション映画『キングスグレイブ』を鑑賞。
同じCG作品の『FFⅦAC』は良くも悪くも原作ありきのファンムービーでしたが、本作はゲームへの橋渡しとなる作品だけあって予備知識がなくても楽しめる間口の広い作りになっています。

魔導力を用いた障壁によって100年に渡り平和を維持してきたルシス王国と、高度な科学技術を武器に他国を侵略し領土を拡大し続けるニフルハイム帝国。
散発的な戦闘を繰り返してきた両国だが、帝国側からの停戦案を国王レギスが受け入れる形で歴史的な協定が結ばれる運びとなる。
だがそれはルシス王国の「クリスタル」を狙うニフルハイム帝国総統イドラが仕組んだ狡猾な罠だった…。

移民で構成された戦闘部隊、帰属する国と故郷の狭間で揺れる人々、ファンタジー世界に現実社会の問題を持ち込む事については色々と意見があるでしょうが、「国を統べる者の重責」や「未来を守る覚悟と代償」といった深いテーマ性と共に、きちんとエンターテインメントに昇華させた脚本は見事という他ありません。

映像面も冗談抜きに実写と見紛う圧巻のクオリティに仕上がっており、ハリウッド映画もマネできない超絶アクションの数々は一見の価値あり。
短剣を用いた瞬間移動はスピーディーでカッコイイし、終盤には『パシフィック・リム』に勝るとも劣らないもの凄い戦いまで用意されています。

キャラクターに関してもジョン・マクレーンよろしく、ボヤキながら任務を遂行していく主人公ニックスが魅力的で、そんな彼の不器用ながら信念を貫く生き様には胸が熱くなる事請け合い。
FFファンを公言する綾野剛くんが声の演技でも善戦しており、発声の仕方がやや一本調子な気もしますが同じくゲスト参加したもう一人の方に比べれば概ね満足できるレベルでした。

最初はゲームの販促と侮っていましたが、独立した映像作品として観ても高い次元で完成されており鑑賞後の満足度はすこぶる高い。
と同時に彼らが託した希望と守り抜いた未来を確認する為に自然と『FFXV』に手が伸びる終わり方で、きちんとその役割を果たしている点も見事でした。