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『舟を編む』(2013年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

製作: 2013年 日本
時間: 133分
原作: 三浦しをん
監督: 石井裕也  
脚本: 渡辺謙作
音楽: 渡邊崇   
出演: 松田龍平(馬締光也)
    宮崎あおい(林香具矢)
    オダギリジョー(西岡正志)
          
黒木華(岸辺みどり)
    渡辺美佐子(タケ)
    池脇千鶴(三好麗美
    鶴見辰吾(村越局長)
    宇野祥平(宮本慎一郎)
    又吉直樹(戸川)
          波岡一喜(編集者)

あらすじ

 玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。
新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。
仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれする…。

予告映像

 

感想

 2013年度日本アカデミー賞6部門を受賞した三浦しをんさん原作の話題作『舟を編む』が早くも地上波放送されたので観る。
 
時は1995年。
PHSやパソコンが普及の兆しを見せ始めた激動の時代。
次々と生まれてくる言葉を積極的に取り入れた新たな辞書「大渡海(だいとかい)」の編集に携わる事となった馬締光也(松田龍平)の15年に及ぶ奮闘の物語。
 
何時もながら演技なのか素なのか解らない松田龍平くん演じる「ふわっ」とした独特の雰囲気を持つ馬締が「辞書」という特殊な出版物の奥深い世界に触れ、チャラ男だが根は優しく面倒見の良い先輩(オダギリジョーくん)や、常に新しい言葉を探し若者文化にもアンテナを伸ばす老国語学者(加藤剛さん)らと出会い仕事をする中で人として大きく成長していきます。
 
辞書をめくり。言葉を探す。
時代遅れと思われがちなその行為の裏に秘められた作り手の情熱。
インターネットが普及し紙媒体から情報を得る事が少なくなった今だからこそ、言葉と向き合い、その意味を見つめ直すこの物語は新鮮に映る。
 
ただ日本映画特有のテンポ感で派手なドラマもなく最後まで"まったり"と進んでいくお仕事映画なので娯楽性を求める人には向かないでしょう。
あまつさえ「日本アカデミー賞受賞作」という肩書きで観るなんて事は間違ってもお薦めしません。