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『アップサイドダウン -重力の恋人-』(2012年) -★☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: UPSIDE DOWN
製作: 2012年 カナダ/フランス
時間: 109分
監督: フアン・ソラナス    
脚本: フアン・ソラナス
音楽: ブノワ・シャレスト 
出演: キルステン・ダンスト(エデン・ムーア)
    ジム・スタージェス(アダム・カーク)
    ティモシー・スポール(ボブ・ボルショヴィッツ
    ジェームズ・キドニー(-)
    ジェイン・ハイトメイヤー(-)
    ブル・マンクマ(-)
    ケイト・トロッター(-)
    ヴラスタ・ヴラナ(-)

あらすじ

富裕層が暮らす星と貧困層が暮らす星が向き合って共存する世界。
貧しい星に生まれたアダム(ジム・スタージェス)は幼いころ、上の星に住むエデン(キルステン・ダンスト)と出会い恋に落ちる。
人目を忍び密会を重ねる2人。
だがある時、警備隊に発見され、その追跡から逃れる中でエデンは上の星に落下してしまう。
 
それから10年。
エデンが死んだと信じ込んでいたアダムだったが偶然にも彼女が生きていることを知り、再会を果たす為、二つの世界を繋ぐ唯一の巨大企業「トランスワールド社」への入社を決意する…。

予告映像

感想

奇しくも『サカサマのパテマ』と同時期公開でネタが被りまくった『アップサイドダウン』を観る。
ネットでは「パクリだ!!」などと騒いでいる輩もいますが、製作時期を考えると偶然似てしまったと考えるのが妥当な気がします。
(むしろ私は両作品の監督対談とかやってほしかった)
 
物語は身分違いの男女の恋という手垢のついた設定で目新しさは皆無ですが、二重引力によって向かい合って存在する二つの世界のビジュアルは一見の価値あり。
普段ラブストーリーを観ない私も、そのイマジネーション溢れる映像には一目惚れしてしまいました。
 
ただ肝心のストーリーは格差社会の風刺も弱ければ、2人の恋愛も思ったほど盛り上がらず難あり。
恋は障害が多いほど燃えるといいますが、主人公を取り巻く人々が善人ばかりで終始ご都合主義展開が続くもんだから拍子抜け。
ドラマとしての盛り上がりも弱く、2人を隔てる「重力」という壁よりも彼女が「○憶○失」になっている事の方が問題というのも笑える。

良くも悪くも映像美だけが見所な作品で、そういった部分に使った想像力を脚本面にも分けて欲しかったなというのが率直な感想。
正直この内容なら本編は60分くらいで十分だった気がします。