春新番は入れ替わりが激しく2クール作品の多くもクライマックス間近となっています。
特にここ数話のキャラクターの心理描写などは圧巻です。
最初は「え?。2クールなの?」と不安に思ったのですが、最近の時間を持て余す"駄ニメ"と違ってペース配分が本当に上手い。
1クール目だけだと陸と海に暮らす人々の交流物でしたが、2クール目で5年の月日が経過した事で物語の深みがグッと増しました。
「変わってしまった者」と「変われなかった者」。
単なる賑やかしのサブキャラクターだと思っていた美海とさゆの幼女コンビが、光たちと同い年になる事でより複雑になった人間関係。
それぞれの苦悩を下敷きに描かれる想いの行方が本当にドラマチックです。
前回イケメン過ぎる紡の告白に観てるこっちがハートを撃ち抜かれましたが、最新話ではそれを拒否してしまうちさきの複雑な心情が描かれるのですが、茅野さんの泣きの演技が素晴らしい。
そしてレディたけど誰よりも男前なさゆさんの告白シーン。
誰の一番にもなれず目覚めてからも密かに孤独感と戦っていた要にとって、5年間自分を想い続けその帰りを待っていてくれたさゆの存在はどれほどの救いになったか、あの涙が全てを物語っています。
ここまで要に敢えてスポットを当てて来なかったのも、この為の伏線だったのですね。
告白の答えは保留となりましたが、ラノベの主人公みたいな優柔不断な理由ではなく「しっかりと向き合って考えたい」と告げるあたり清々しい。
玉砕すると思っていたさゆの想いが通じ、不遇な要が救われて本当に良かった。
紡、ちさき、要、さゆ、に関してはこれでほぼ決着が付いたっぽいので、残るは光と美海とまなかの三角関係ですね。
美海は自分の想いを心に秘めたまま身を引こうとしていますが、まなかが「人を愛する心」を取り戻せるかどうかを含め物語の行方から目が離せません。