スタッフ&キャスト
あらすじ
天下統一を目指す豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じるも、その中には最後まで落ちなかった武州・忍城(おしじょう)と呼ばれる支城があった。その城には領民からでくのぼうをやゆした“のぼう様”と呼ばれ、誰も及ばぬ人気で人心を掌握する成田長親(野村萬斎)という城代がいた。秀吉は20,000の軍勢で攻撃を開始するが、将に求められる智も仁も勇もない、文字通りのでくのぼうのような男の長親は、その40分の1の軍勢で迎え討とうとする。
予告映像
感想
評判が良く前々からレンタルしようと思っていたので丁度良かったのだが、本編145分に対し放送時間は144分。
劇場公開時もオリジナル版からリアル過ぎるという理由で「水攻め」シーンがカットされたが、今回の放送はそこに更なる編集が加わっているようだ。
ここは樋口真嗣さん渾身のスペクタクル映像であり、本作の見所であっただけに残念でならない。
トラウマを抱えた人が多いのも事実だが、史実を描きながら制作時期によって内容が改変されてしまうというのはやはり悲しい。
さて肝心の物語ですが2万の軍勢と500の兵で渡り合った忍城の戦いを描いた日本版『300 スリーハンドレット』といった感じ。
古今東西こういった逆転劇というのは心躍る。
のぼうの愛称で親しまれる成田長親と個性派揃いの家臣とのコントっぽい会話があったかと思えば、合戦シーンになると急にリアル路線になるから驚かさせる。
『プライベート・ライアン』に肉薄すると言ったら言い過ぎかもしれないが、生温いなんちゃって戦争映画と違い血や首が普通に飛んでそれを誤魔化そうとしない姿勢が素晴らしい。
次から次に襲い来る窮地を奇策で乗り切り、自軍だけでなく敵の心まで掴んでしまうのぼうのカリスマ性。
転んでもただでは起きないしたたかさを含めこの男かなりの食わせ者であるが、同時に自身の胸の内を他人に明かそうとせず感情も表に出さない孤独な一面も垣間見える。
今からでも遅くないので『実写版 進撃の巨人』にもドラマパートの監督を追加してくれないだろうか?。