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『ハンガーゲーム』(2012年) -★☆☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: THE HUNGER GAMES
製作: 2012年 アメリ
時間: 143分
原作: スーザン・コリンズ
監督: ゲイリー・ロス 
脚本: ゲイリー・ロス 、スーザン・コリンズ 、ビリー・レイ
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード 
出演: ジェニファー・ローレンス(カットニス・エバディーン)
    ジョシュ・ハッチャーソン(ピータ・メラーク)
    リアム・ヘムズワース(ゲイル・ホーソーン
    ウディ・ハレルソン(ヘイミッチ・アバナシー)
    エリザベス・バンクス(エフィー・トリンケット)
    レニー・クラヴィッツ(シナ)
    スタンリー・トゥッチ(シーザー・フリッカーマン)
    ドナルド・サザーランド(スノー大統領)

あらすじ

貧富の差が拡大し一部の人間が権力を独占した近未来。
富裕層は恐怖による支配と反乱を抑制するため12の地区の貧困層から集めた24人の若者に殺し合いをさせる「ハンガーゲーム」を1年に1度開催し、その力を誇示していた…。

予告映像

感想

年末年始にどっさり放送された映画の中から米国版『バトルロワイヤル』と揶揄される『ハンガーゲーム』を観る。
流れたのがBSだったので字幕版かと思いきや奈々さんや神谷くんが出てる吹き替え版でした。
 
題材的に問題作と思いきや原作人気もあって海外ではティーンエイジャーを中心に高い支持を集め大ヒットを記録したようだが
日本では興行的に振るわなかったそうな。
まぁその理由もなんとなく解る。
今現在戦争を行いリアリティー番組が盛んな国であれば受けるだろうが、それに当て嵌まらなければなんのこっちゃない映画だ。
そもそも日本では少年少女が過酷な運命に挑む作品が溢れ返っており設定自体に目新しさが感じられない。
 
しかもこの映画、殺し合いを強いられるにも関わらず、その事に関する罪悪感や葛藤を描かず薄っぺらい体制批判と安っぽいロマンスになっている事が解せない。
サバイバル要素も申し訳程度なら、全編ほぼ主人公の主観の為、他の参加者の心情や戦う理由などにも一切触れずドラマ面が弱すぎる。
 
勝ち残るのは1人のはずなのに簡単に手を組む参加者の神経もどうかしてるし(私だったらいつ寝首をかかれるか解らんし絶対嫌だ)、取って付けたような主人公とイケメンの恋模様も表面的すぎてちっとも感動しない。
都合良く生き残るご都合主義展開や続編ありきの呆気ない幕引きにもガッカリ。
 
原作は米国で2000万部を超えるベストセラーなのだそうだが、『トワイライト』といい向こうの読者はこういうベッタベタなのが好きなのだろうか?。
それなら日本のラノベだって十分戦えそうな気がするのだが…。
 
それにしても同じく子供が殺し合いをする『バトルロワイヤル』がR-15だったのに対し、こっちは制限なしとは映論のジャッジが解らない。
PG-12ですらないとは驚きだ。
バイオレンス度でいったら激温なので当然と言えば当然だが、個人的にはこういう温い暴力の方が問題な気がする。
戦争映画などもそうだが目を背けたくなるような悲惨な映像を容赦なく見せる事が最大の抑止力になるのではないか?。
 
今現在、続編の『ハンガーゲーム2』が公開中だが、この分だと期待できそうにない。
監督が『コンスタンティン』『アイ・アム・レジェンド』のフランシス・ローレンスに変わったので映像は洗練されていそうだが、プロットがこのままじゃどうしようもないだろう。