スタッフ&キャスト
原題: ZERO DARK THIRTY
製作: 2012年 アメリカ
時間: 158分
音楽: アレクサンドル・デプラ
出演: ジェシカ・チャステイン(マヤ)
ジェイソン・クラーク(ダニエル)
ジョエル・エドガートン(パトリック)
ジェニファー・イーリー(ジェシカ)
マーク・ストロング(ジョージ)
カイル・チャンドラー(ジョセフ・ブラッドリー)
エドガー・ラミレス(ラリー)
ジェームズ・ガンドルフィーニ(CIA長官)
クリス・プラット(ジャスティン)
フランク・グリロ(-)
ハロルド・ペリノー(ジャック)
レダ・カテブ(アマール)
出演: ジェシカ・チャステイン(マヤ)
ジェイソン・クラーク(ダニエル)
ジョエル・エドガートン(パトリック)
ジェニファー・イーリー(ジェシカ)
マーク・ストロング(ジョージ)
カイル・チャンドラー(ジョセフ・ブラッドリー)
エドガー・ラミレス(ラリー)
ジェームズ・ガンドルフィーニ(CIA長官)
クリス・プラット(ジャスティン)
フランク・グリロ(-)
ハロルド・ペリノー(ジャック)
レダ・カテブ(アマール)
あらすじ
予告映像
感想
奇しくも今日があのテロから12年目だった事に鑑賞後気付いた。
冒頭「関係者の証言に基づいた物語」とテロップが入るのだが映画という性質上、細かな脚色が加わっている事は考慮しなければいけない。
ポスターや予告では「真実」だと強調しているが「真実」というのはその時その瞬間にしか存在せず、誰かの意思が介在した時点で(たとえニュースやドュメンタリー映像であっても)それは「真実」とは言えない事を受け取る側も十分に理解する必要があると私は思う。
物語は9.11から2年。
1人のCIA捜査官マヤがアルカイダ捜索チームに派遣されるところから幕を開ける。
本作は捕虜に対する拷問まがいの情報収集など自国の恥部を晒すような表現に批判が集まったが、正直その描写はかなり温く「実際はもっと陰惨だったのでは?」と勘繰ってしまう。
当初マヤは大人しい温室育ちの女性といった印象なのだが、次々と起こるテロ攻撃を阻止できないままチームのメンバーがニセの情報によって殉職したところから憑りつかれたように捜査に没頭していく。
上司を脅迫まがいの方法で説得したり、SEALs隊員に「私のために(ビンラディンを)殺して」と告げるなど別人といってもよい。
ジェシカ・チャスティンの演技力も相まってグイグイ引き込まれる。
本編は2時間半と長丁場だが8年という長い期間を凝縮して描く為、「こんなサクサク進んでいいの?」と思うくらい物語はスピーディーに展開。
誰も目を向けなかった些細な情報に着目し、刻一刻と変化する状況や上層部の思惑に翻弄されながら、やがて大物に辿り着く流れはとてもスリリングだ。
映画のハイライトは当然ステルスヘリとSEALsによるアジト急襲になるのだが、これまで主役だったマヤが基地待機となる上、作戦がほぼリアルタイムで進行するため通して観るとこの部分だけが浮いてしまったように感じられる。
存在しないとされるステルスヘリの製作や、撮影に苦慮したというナイトビジョン映像など臨場感は半端ないのだが、もうちょっいカットしてスマートに処理出来なかったのだろうか?。
長年追い続けた標的の死を確認したマヤ。
だが他の職員たちと共に喜ぶでもなく、目的を失ったかのように茫然と立ち尽くし、帰りの輸送機の中で人知れず涙を流す。
アメリカ寄りの内容ではあるものの主人公をヒロイックには描いていないのは『ハート・ロッカー』と通じるところがあり、あの映画も結局は家族との安らぎよりも麻薬のような戦場のスリルに溺れた破滅的な主人公の後姿で締め括られた。
実話が元となっている為、最終目的地は決まっており、その過程で派手なアクションシーンが挿入される事もない。
ハッキリ言って地味な作品だが確りとした作りなため最後まで退屈せず重厚な物語を堪能する事が出来ました。