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『マシンガン・ブリーチャー』(2011年) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: MACHINE GUN PREACHER
製作: 2011年 アメリ
時間: 129分
監督: マーク・フォースター  
脚本: ジェイソン・ケラー 
音楽: アッシュ&スペンサー 
出演: ジェラルド・バトラー(サム・チルダース)
     ミシェル・モナハン(リン・チルダース)
     マイケル・シャノン(ドニー)
     キャシー・ベイカー(デイジー
     スレイマン・スイ・サヴァネ(デン)
     マデリン・キャロル(ペイジ)

あらすじ

酒と麻薬におぼれ犯罪を繰り返してきたサム・チルダース(ジェラルド・バトラー)は、ある出来事を切っ掛けに信仰と家族の為に生きることを誓う。
数年後、教会で牧師からウガンダの話を聞いたサムはボランティア活動で現地に赴くのだが、そこで彼が目にしてものは武装ゲリラLRA(神の抵抗軍)によって虐げられる子供たちの姿だった…。

予告映像

感想

ハル・ベリーの『チョコレート』やジョニー・デップの『ネバーランド』など人間ドラマに定評がある一方、近年は『007 慰めの報酬』や間もなく公開されるブラッド・ピット主演の『ワールド・ウォーZ』などアクションも撮れるマーク・フォースター監督が、『オペラ座の怪人』『300 スリーハンドレット』のジェラルド・バトラーを主演に迎え、実在の人物サム・チルダースの半生を描いた意欲作。
 
酒や薬物に溺れていた主人公が信仰によって立ち直り、アフリカの紛争地でゲリラに命を狙われながらも銃を手に子供を救う活動に従事するに至るまでの数年間を2時間に凝縮し一気に見せる。
ちなみに実在の人物を題材にしつつも映画にする上で一部に脚色(マイケル・シャノン演じるチルダースの悪友など)を加えている点に留意したい。
 
トライガン』のウルフウッドではないが、サム・チルダースという人物は牧師でありながら銃をぶっ放す。
神を信じながらも綺麗事では解決しない非情な現実を受け止め、間違っていると解りつつも子供を救う為に行動する姿勢というのは潔く感じる。
キリスト教徒は大義の為であれば人を殺して良いのか?」
など宗教が絡んでいるだけに異論もあるだろうが、結局1人の人間が出来る事なんてたかが知れてる訳で、その中で自らの命を危険に晒しながらも足掻いている彼を否定する資格は誰にもない筈だ。
 
ボランティア活動に熱心なあまり家庭を顧みず相談もなしに勝手に資産をなげうつなど、チルダースの妻や娘は相当苦労したに違いないのだが今では共に慈善活動を行っているというのだから凄い。
 
世界中で起こる全ての不幸に目を向ける事は出来ないが、生活が苦しいと言いながら贅沢する余裕のある米国を含む我々先進国の人間と明日の命すら保証されない現地の人々の対比には改めて身につまされる。
 
 作品の性質上カタルシスなどはなく豪華なスタッフ&キャストで作り上げた再現VTRというのが率直な感想だが、世界で今現在も起きている問題を広く認知してもらうという意味では価値のある作品だと思う。