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『THE GREY 凍える太陽』(2012年) -★★★☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: THE GREY
製作: 2012年 アメリ
時間: 117分
原作: イーアン・マッケンジー・ジェファーズ
監督: ジョー・カーナハン  
脚本:
ジョー・カーナハン 、イーアン・マッケンジー・ジェファーズ
音楽: マルク・ストライテンフェルト   
出演:
リーアム・ニーソン(オットウェイ)
     フランク・グリロ(ディアス)
     ダーモット・マローニー(タルゲット)
     ダラス・ロバーツ(ヘンリック)
     ジョー・アンダーソン(フラナリー)
     ノンソー・アノジー(バーク)
     ジェームズ・バッジ・デール(ルウェンデン)

あらすじ

極寒の採掘施設で働く作業員を乗せた飛行機が雪原に墜落する。
生き残ったのは僅か7人。
彼らを襲う飢えと寒さ、そして姿を現す獰猛で狡猾な狼の群れ。
過酷な環境に放り出された男たちの生き残りを懸けた壮絶なサバイバルが幕を開ける。

予告映像

感想

リドリー&トニー・スコット兄弟プロデュース。
『スモーキン・エース』『特攻野郎Aチーム』のジョー・カーナハン監督×リーアム・ニーソン主演で贈る極限のサバイバル劇。
初期の頃と違い近年は娯楽作品へ傾倒していたジョー・カーナハンが久しぶりに『ナーク』ばりの骨太な作品を拵えた!!。
 
信じたところで神は何もしない。
救いの手など差し伸べない。
死んだって天国になど行けない。
ただ消え去るだけだ。
 
フォースの加護を受けたジェダイの騎士であり、娘を誘拐した悪党どもを瞬殺するリーアム・ニーソンが主演だからと言って、彼が大活躍する冒険活劇を期待してはいけない。
非情にすら思える自然の摂理を、奇跡なんて起こらない無慈悲な現実を、これでもかと見せつける。
 
映画としてはとても地味な作りとなっており展開に関しても意外性はない。
狼の合成などはお世辞にも完成度が高いとは言えず、むしろチープにすら感じる。
だがしかし、映画全体から漂う力強さから目が離せない。

まるで白昼夢を見ているような現実感のない白銀の世界で繰り広げられる「生きる」為の戦い。
「死」と向かい合う事で忘れかけていた大切な物を見つめ直す皮肉。
そして救助隊という希望ではなく、絶望の化身が立ちはだかるクライマックス。
 
もう一度戦って
最強の敵を倒せたなら
その日に死んでも悔いはない
その日に死んでも悔いはない
 
精神的に相当追い詰められる映画ですが、それに挑む覚悟のある人はエンドロール後のワンカットまで確りと見届けて頂きたい。