予告映像
感想
「モシュメンタリー」とは『ブレアウィッチプロジェクト』・『クローバーフィールド』・『パラノーマル・アクティビティ』などに用いられたフィクションをあたかも現実のドキュメンタリーの様に見せる表現手法でございます。
いやはやこれは面白い。
内容的にはタイトル以上でも以下でもないのだけれど、とにかくその「作り込み」が素晴らしい。
フィクションをリアルに見せる為の基本は違和感のない範囲の「嘘」を積み重ね、それによって大きな「嘘」にも説得力を持たせる事だと私は考えています。
こういった架空の生き物を現実の延長線で描く場合はこの「嘘のつき方」が重要になって来る訳ですが、そういった意味でこの作品はとても上手く、スッと世界観に入り込む事が出来ました。
取り分けトロール・ハンターの仕事っぷりや獲物の追跡方法などは十分過ぎる程の説得力があり、岩の配置を記録したり好物のタイヤを仕掛けて行動範囲を把握するなどハンターとして実に自然な立ち振舞い。
主題ではないがバックに映る北欧の風景もまた美しく魅力的だった。
「映像がリアルならそれで良い」と考えている近年のハリウッド映画はこうした作風を大いに見習うべきです。
この作品どういう訳かハリウッドリメイクが決まっているそうですが「ご当地ネタ」であるこの題材を描き直す必要があるのか甚だ疑問です。