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『GAMER:ゲーマー』(2009) -★★☆☆☆-

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スタッフ&キャスト

原題: GAMER
製作: 2009年 アメリ
時間: 95分
監督: ネヴェルダイン 、テイラー    
脚本: ネヴェルダイン 、テイラー 
音楽: ロバート・ウィリアムソン 、ジェフ・ザネリ 
出演: ジェラルド・バトラー(ケーブル/ジョン・ティルマン)
    マイケル・C・ホール(ケン・キャッスル)
    アンバー・ヴァレッタ(アンジー
    ローガン・ラーマン(サイモン)
    テリー・クルーズ(ハックマン)
    アリソン・ローマン(トレース)
    ジョン・レグイザモ(フリーク)
    ゾーイ・ベル(サンドラ)
    クリス・“リュダクリス”・ブリッジス(ヒューマンズ・ブラザー)
    キーラ・セジウィックジーナ・パーカー・スミス)

あらすじ

天才クリエイター、キャッスル(マイケル・C・ホール)が開発したオンライン・ゲーム“スレイヤー”では、生身の人間が遠隔操作され激しい戦闘を繰り広げていた。
無実の罪で投獄されスレイヤーの戦士となったケーブル(ジェラルド・バトラー)は、30回勝ち抜けば釈放という条件にあと1回と迫り、世界中の注目を集めていたが…。

予告映像

感想

ジェイソン・ステイサム主演のお馬鹿映画「アドレナリンシリーズ」を手掛けたネヴェルダイン/テイラー監督が『300』のジェラルド・バトラーを迎えて制作したこの作品。   
観る前は『デスレース』みたいにプリズンブレイクするのが目的の映画かと思ったら、意外とあっけなく外に出ちゃいました(笑)。
 
人が生身の人間を操る事が娯楽の1つとなった近未来。
其処では死刑囚同士の殺し合いを楽しむ過激なゲームが世界的なブームになっていた。
 
「生き残ったら釈放」というお決まりの設定ですが、本作は其処に「囚人たちが自分の意思で戦う事が出来ない」という捻りが加えられているのが面白い。
脳にナノマシンを埋め込まれ見ず知らずのプレイヤーによって体を操られ、生きるも死ぬもそいつの腕次第というのはなんとも皮肉。
 
戦闘シーンは低予算でありながらかなりの迫力で、手持ちカメラで主人公を追従しながら弾丸と破片が降り注ぐステージを進むFPS風の映像は見応え抜群。
大作映画じゃないので程良いバイオレンス描写も加わり、ちょっとした戦争映画を観ている様な気分になります。
 
しかしそんなアドレナリン大噴出の展開も主人公が「人は自由であるべきだ」と主張するレジスタンスの手を借りて呆気なく脱獄に成功すると一気にペースダウン。
キモ男に操られた奥さんを救ったり、システムを利用して世界征服を企む若社長の陰謀に立ち向かったりと、家族愛や人間の尊厳まで描こうと欲張った余りとっ散らかってしまった印象です。
あのラストも悪いとは言いませんが、こういう作品ならばもうちょいカタルシスがあっても良かったのではないか?。
 
題材は十分過ぎるほど魅力的なのに其れを生かし切れていなかったのが残念。
(まぁ本編が95分しかないんじゃ仕方ないか…)
監督が大好きなアングラでエログロな悪趣味極まりない描写を含め大衆受けはしませんが、B級映画としては秀作の部類に入ると思います。
かくいう私はこの趣の映画が大好物なので結構楽しめました。