旧いまここにあるもの

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金曜ロードショーで放送された「20世紀少年-最終章-ぼくらの旗」を観た。

初めに私は原作の『20世紀少年』及び完結編の『21世紀少年』を断片的にしか読んだ事がありません。
故に実写版のみの批評となりますので御了承下さい。
 
イメージ 1
 
TVで第一章から最終章まで観ました。
この実写版がどの程度原作通りか私には解りませんが、最終章は随分と「セカイ系」な話になっていて驚いた。
特にラストなんかは落ちを含めて完全に「セカイ系」でしたよ。
 
リアルな作風で知られる浦沢直樹さんが新興宗教の教祖が狂信者を率いてテロを起こすという手垢が付いた様なプロットに、少年時代の思い出や1970年代のカルチャーそして冒険活劇といった懐かしさ溢れる要素を巧みに取り入れ描いた『20世紀少年』&『21世紀少年』。
 
映画ではその原作を有りのまま映像化する事に重点を置いた様なのですが、
実写でやるには奇抜過ぎる世界観へのどうしようもない違和感と、原作のキャラクターを意識しすぎる余りコントの様な格好になった出演陣の姿に、私は終始出来の悪いミュージカルを観ている様な気分になってしまいました。
 
「ともだち」のビジュアル1つ取っても、あれはマンガという表現で描いたからこそ説得力があるのであって、実写でやっても周りから浮きまくった変なコスプレ野郎にしか見えません。
それは巨大ロボットにも科学特捜隊にも巨大円盤にも言える事です。
 
例えこれがハリウッドの最新技術を駆使して映像化したとしても違和感は決して消えないでしょう。
それ位マンガと実写の表現には違いがあるのです
 
残念ながら私が実写版『20世紀少年』を観終えて感じたのはそんな当たり前の事実だけで、
色眼鏡を捨て一本の映画として観ても、大した盛り上がりやカタルシスもなかった様に思います。
散々出し渋った「ともだち」の正体も「誰?」って感じでしたし、最後にバーチャルの世界で和解されたって何の感動もありません。
ただ1つ「万引きはいけませんよ」というメッセージだけは確りと伝わってきましたがね(笑)。
 
一言で言えば「微妙」。
それ以上でもそれ以下でもなく「微妙」。
その言葉に尽きる作品でした。
 
はぁ~やっぱ原作の方を読むべきだよなぁ~。