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『イースタン・プロミス』 ★★★★☆

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スタッフ&キャスト

原題 EASTERN PROMISES
製作 2007年 イギリス/カナダ/アメリ
時間 100分
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
音楽 ハワード・ショア
脚本 スティーヴ・ナイト
出演 ヴィゴ・モーテンセン(ニコライ)
  ナオミ・ワッツ(アンナ)
  ヴァンサン・カッセル(キリル)
  アーミン・ミューラー=スタールセミオン)
  イエジー・スコリモフスキー(ステパン)
  シニード・キューザック(ヘレン)
  ミナ・E・ミナ(-)
  サラ=ジャンヌ・ラブロッセ(タチアナ)

あらすじ

ある夜、ロンドンの病院に妊娠した一人の少女が運び込まれる。
産婦人科医のアンナ(ナオミ・ワッツ)が対応するが少女は出産直後に死亡し、赤子とロシア語で綴られた日記だけが残される。
アンナは残された赤ん坊の家族を探すべく、日記に挟まったロシアン・レストランのカードを頼りに其処のオーナーであるセミオンと言う男に辿り着く。
何かとアンナに親切に接するセミオン、だが彼の本当の顔はこの街を牛耳るロシアン・マフィアのボスであり、
アンナの手にする日記には彼等にとって好ましくない事実が記されていた。
徐々に身の危険を感じ始めたアンナの前にセミオンの息子キリル(ヴァンサン・カッセル)と運転手を務めるミステリアスな男ニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)が現れる…。

感想

店頭でジャケットの格好良さに惚れ、ネットで内容を調べて鑑賞。

なんでも主演のヴィゴ・モーテンセンは『ロード・オブ・ザ・リング』の勇者アラゴンで一般には有名らしい。
まぁ私は天の邪鬼なのであのシリーズは1か2しか観てないので(オイオイ)彼を意識して観た初めての作品が本作になります。

観終わって作品の感想とかより前にヴィゴ・モーテンセンに惚れた!!。
いゃ~すごいよ、この人!!。
アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされるだけあって、演技もそうだけど迫力というか存在感がすんごいの!!。
死体を処理する場面での手慣れた感とか身の振り方・佇まい、どのシーンもリアルでカッコイイ!!。
なんでもこの映画の為に単身ロシア旅行をして本物のそっちの世界の人と会ったりして役作りしたってんだから驚く。
サウナでの全裸格闘シーンとかある程度売れた役者なら嫌がりそうなのにガチだよ~。

多くを語らず、本心は心の奥に秘めておくニコライ。
義理と礼節を重んじる姿は男が惚れる男!!。
特にこういうキャラは日本人のツボだと思う。


あとダメ息子役のヴァンサン・カッセルも好きだな~。
ど~見てもロシア系じゃなくおフランスなのが可笑しかった(笑)。
キリルは悪い奴なんだけど、おバカだから何故か許せるんだな~。
ニコライにベッタリで可愛いし、困った時は「パパ~」って(爆)。
ヴァンサン・カッセルは三枚目もイケると思った。思い切ってラブコメとか出て欲しい(それとも既に出てる?)。


さてと役者の話はこの辺にして本編の話ですが。
ジャンル的にはバイオレンス・アクションになってるど、アクションをあまり期待しない方がいい(銃とかは一発も撃たんから)。
んでバイオレンス成分は派手ではなくリアルでエグい感じ。
先も書いた死体の処理シーンは淡々していたけど「こんなの映しちゃうの!!」とビックリする。

描写と言うか作り込みも凝っていて。
中でも刺青は影の主役と言える程で、ロシアン・マフィアにとって刺青はその人物を表す履歴書の様な役割をしていると初めて知りました。
ニコライとか全身ビッチリ入ってて、向こうはこんなんでもサウナ入れるんだと驚いたりして…(笑)。

予想したよりも死人が出ず、意外にハッピーエンド?な終わり方とか、R-18だけど見易かったかな。
表の世界に居るアンナと裏の世界で生きるニコライ。
相容れない2人の関係は終始とてもストイックで不思議…多くを語らずともこんなにも素敵な男女のロマンスが描けるんだと感心(ここら辺は女性受けしそう)。
まぁ何よりもヴィゴの演技の酔える地味だけど力強い作品でした。