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『劇場版 空の境界/第三章 痛覚残留』 ★★★☆☆

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スタッフ&キャスト

制作 2007年 日本
時間 56分
監督 小船井充
原作 奈須きのこ
脚本 平松正樹
音楽 梶浦由記
声の出演 坂本真綾両儀式
    鈴村健一黒桐幹也
    本田貴子蒼崎橙子
    藤村歩黒桐鮮花
    能登麻美子浅上藤乃

あらすじ

夏のある雨の夜、天性のお人好し"黒桐幹也"は路上に蹲る少女を一晩保護する。
翌日、橙子の事務所に顔を出すとある依頼が舞い込んでいた。
それは数日前に起こった四肢を捻り殺された少年達の事件の犯人を知っており、その人物を保護もしくは殺害して欲しいという物だった。
万物の「死」を見る能力「直死の魔眼」を持つ少女"両儀式"はこの事件は自分と同類の者の犯行だと感じる。
一方の幹也は依頼者から送られてきた写真を見て愕然としていた、其処には昨晩出会った少女"浅上藤乃"の姿が写しだされていた…。

予告映像


感想

第一期公開分の中では、色々な意味で一番ヤバイ章。
初っ端からあんな描写だし。虐げられる藤乃の声を声優界きっての癒しボイス"能登麻美子"さんだ担当しているからなおのことキツイ。

因果応報。ふじのんに報復されてネジネジ殺される野郎共の描写は凄まく、アニメだから許される映像だが、これで映論のレーティング喰らわなかった事が不思議でしょうがない。
特に倉庫街でのシーンはエグく、ここで殺される男を演じたのは今や売れっ子"中村悠一"くん!!。
少しずつ捻られて壊れてゆく演技は鬼気迫るモノを感じ、彼が演技派である事を確信しました。

見せ場である式VS藤乃のアクションシーンも、前二章と比べると別作品では?と思えるほどのスケール感。
何所までも激しく出来そうな所をやり過ぎずに『空の境界』の世界観から外れないギリギリの所で押し止めたスタッフの自制心は見事!!。

ボロボロの姿で、痛みを感じ「痛い」と、そしてこの世界に生きて「居たい」と呟く藤乃。
言葉の謎掛けは活字媒体ではないので違いを感じるのは難しく思うが、そこを上手い事映像で補填してくれている。
ここの藤乃の姿はあまりにも健気で悲しくそして美しい。
最後に彼女は肉体的には救われる。だがそれが=彼女の救いなのかは解らない。
この後どうなるかとても気になりますよ奈須さ~ん!!(笑)。

とても重々しいストーリーでしたが最後の"未来ある藤乃"・"式と幹也の笑顔"・"雨上がり明け方の空"これらに救われた気がします。
でも精神的にすっごく疲れたよ…。